研究課題/領域番号 |
17K03845
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
張 暁紅 香川大学, 経済学部, 教授 (00452722)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中国人商工業者 / 奉天 / 哈爾濱 / 「満洲国」 / 第二次五ヵ年計画 / 傅家甸 |
研究実績の概要 |
本年度は、中国および日本国内で資料調査を行い、収集した資料の整理と分析を進めた。研究は、これまでの研究対象地域「奉天市」のみならず、中国東北地域北部の中心都市「哈爾濱市」にも研究視点を広げ、そこで展開された中国人商工業者の活動についての考察を実現した。具体的な研究成果は以下の3つである。 1.奉天と哈爾濱における工業資本の動向について。学会報告:「戦中戦後の中国東北工業化―奉天・哈爾濱を中心に―」政治経済学・経済史学会中国四国部会、岡山大学、2018年6月16日。同報告では、第一に、「満洲国」期の重化学工業は主に奉天、撫順、鞍山、本渓、大連の5つの都市に集中しており、5都市は、撫順と本渓は鉱(工)業、大連は化学工業、鞍山は鉄鋼業、奉天は機械器具工業といった都市間の産業構造上の特徴を有し、この点は中国建国初期にも引き継がれた。第二に、それと同時に、中国建国初期に重工業都市として哈爾濱が浮上したことを指摘し、重工業都市としての哈爾濱の形成過程を明らかにした。 2.「満洲国」期の哈爾濱市における中国人商工業者の動向について。①1920-1930年代を対象に、②1940年代初頭を対象に、の二つの時期に分けて現在、研究論文を執筆中であり、2019年度中に投稿する予定である。 3.奉天市の近代化について。経営史学会の依頼を受け、奉天市に関わる研究成果(上田貴子著『奉天の近代――移民社会における商会・企業・善堂』)に対する書評を作成し投稿した。『経営史学』に刊行される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は順調に進展している理由は以下の3つである。 1.大学図書館の相互貸借サービスを利用することによって、資料調査のための日本国内出張回数は激減した。また大学院生のアルバイト要員による資料のデータ化・入力などの補助も交付者にとって効率よく研究を進めていくことを可能にした要因である。 2.上記「研究業績」に言及した学会報告に向けての準備、および学会での議論などは研究推進のプッシュ要因となった。 3.前年度で実施した資料調査により質の高い歴史資料と出会ったことは、研究を順調に推進していくことを可能にした条件であった。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り、最後の年度にあたる2019年度は、引き続き研究を推進し、検証結果をまとめて公表することに集中する予定である。なお、必要に応じて追加調査も行う。 研究成果の発表について、研究報告1回以上、研究論文2本以上を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(B-A)は26,225円である。予定していた資料調査目的の出張は図書館経由相互貸借によって不要となったためである。この部分の助成金は本年度の資料調査に使用する予定である。
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