研究課題/領域番号 |
17K03850
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
米山 秀 首都大学東京, 経営学研究科, 客員教授 (80158542)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ギルド / エクセタ市 / 小分岐 / 徒弟制 |
研究実績の概要 |
The Decine of the Guildsをネット版で公開した。その要旨紹介とともに、それに先立つ二つの論争とともに、和文雑誌論文「エクセタ縮重工ギルドの衰退のメカニズムー最近の二つの論争との関連でー」として公開した。そこで提示した仮説の一つ「イギリスのギルドの直系家族抑制的効果」を検証するために、グロスタ市の徒弟登録簿と市民認可簿の照合を作業に基づくデータベースの作成を開始しつつある。 近刊の英文拙稿The Decine of the Guildsは、イギリス・エクセタ市の縮絨工ギルドの産業革命前の変質過程をその内部資料で描いたものである。このギルドでは、17世紀半ばに独占的営業権が失われていく一方、加入者が増加していった。さらにその紹介としてこの一見奇妙な状況の背後にあるメカニズムを、和文雑誌論文「エクセタ縮重工ギルドの衰退のメカニズムー最近の二つの論争との関連でー」ではそれに先立つ次のような二つの論争との関連で読み解く。 第一に、イギリスのギルドはいつ崩壊したのかという問はわが国でも古典的なものであった。イギリスでは90年代以降現実政治的背景もあり職業訓練機関としてのギルドが残存したという主張がなされこれをめぐる論争があった。第二に、なぜイギリスは大陸と異なり産業革命期以降急成長したのかというやはり古典的な問をめぐって、その基礎に家族構造の相違をみる主張とギルドなどの相違を見る主張との対立が、21世紀に入り続いている。 拙稿では、エクセタにおける職業訓練機関としてのギルドの存続とそれに先立つギルドと家族の大陸からの分岐を論じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
遅れていた論文The Decine of the Guildsが予想外に早く公開されたので。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、イギリスにおける核家族が工業化に果たした役割について実証的に研究成果を英文で公開する。 現在作成中のデータベースを用いた実査法研究をするととも、産業革命以前の18世紀前半までの工業化における地域間競争の視点もできれば加え考察を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していたPCの購入が遅れ、また椅子の購入が認められなかったため。
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