研究課題/領域番号 |
17K03851
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
黒羽 雅子 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (50330733)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ネブラスカ州銀行業 / 準州時代 / 米国西部初期銀行業 / 銀行破綻処理 |
研究実績の概要 |
本年度は課題「米国における銀行破綻処理手法の発展に果たした州法預金保険制度の歴史的意義」の解明に取り組む一環として、州法預金保険制度(20世紀版)の発祥の米国中西部山岳地域の初期銀行業の様態について解明する作業に着手した。その成果は、単著「論説 準州時代(1854-67)のネブラスカ銀行業」アメリカ経済史学会『アメリカ経済史研究』第16号所収として上梓した。 上記論文の結論の一つである「地方的な銀行業界のリーダーのリーダーシップの欠如がネブラスカ州銀行制度の脆弱性を招き、助長してしまったのではないか」という仮説と関連して、日本における地方銀行協会創設運動に関する分析を行った。その成果は、単著「鈴木良作の経営思想と地方銀行中央機関設立構想―全国地方銀行協会の設立を巡って(その1)-」山梨県立大学『国際政策学部紀要』第13号所収論文を上梓した。 また、2018年2月27日から3月14日にかけて、米国ネブラスカ州立歴史協会文書館およびカンザス州歴史協会文書館への資料調査を実施した。その主な成果は、前者については、準州時代の銀行に関する新聞記事の複写、個別銀行の決算等に関する資料を、後者については、預金保証法下の破綻銀行清算関係資料の一部を閲覧することができたことである。 さらに、上記の機会を利用して、共同研究を実施しているネブラスカ大学オマハ校キャサリン・コウ教授と19世紀末から20世紀初頭にかけての発明活動と州法銀行による金融支援との関係について、研究の進捗状況の報告を受けるとともに、今後の展望について議論する機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は校務との時間配分が比較的うまくいったため、本研究課題の研究をほぼ計画の通り進めることができた。また、研究の途中で州銀行制度の成立にかかわる銀行家協会員のリーダーシップに取り組むという新たな課題が生まれたため、そちらの研究も同時に進めることができたのは、思わぬ副産物であった。 平成30年2-3月に実施した海外調査によって、30年度の研究計画を進める諸準備を整えることができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、ネブラスカ州の成立以降の州銀行制度整備を巡る議論を分析し、州法預金保証制度を成立させた決定的要因と副次的要因を明らかにするとともに、州法預金保証制度下の破綻銀行関係精算資料等を利用し、ネブラスカ州の破綻処理手法についてより詳しく分析することとになる。この分析に必要な資料の60パーセント程度はすでに収集済みであるため、30年度前期を利用してその分析を進める。 平成30年度夏休みには、上記の研究との比較対象としてカンザス州の同時代の銀行の破綻処理関係資料の入手のため、再びカンザス州歴史協会文書館を訪問する。 また、ネブラスカ州内における農業者・商工業者他への州法銀行の金融的支援内容のわかる資料の収集も実施する。同時に、共同研究者のネブラスカ大学オマハ校キャサリン・コウ教授との打ち合わせも実施し、平成31年度に来日し、アメリカ経済史関係の研究会において研究成果を報告してもらう準備をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度分の米国出張に際して、航空料金分(89280円)が不足したため、これを本学の運営費交付金教育研究費より支弁し、残額を次年度の米国出張旅費に充当することとしたため、53315円の次年度使用額が生じた。
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