研究課題/領域番号 |
17K03852
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
大島 朋剛 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20619192)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 酒造業 / 地域社会 / 酒造労働 |
研究実績の概要 |
本研究「近現代日本における酒類消費に関する研究」の2年目となる平成30年度は、以下の点を中心に研究を推進した。 まず、平成30年8月には、大阪市立大学梅田キャンパスにて行われた経営史学会関西部会大会において、大島を代表とし、冨善一敏氏(東京大学)および大澤篤氏(明治学院大学)とともに「酒造家と地域社会-秋田県鹿角郡関善酒店の事例から-」という演目で研究発表を行った。この中で、大島は地方酒造家の酒造経営について、冨善は鹿角地域と関善家文書について、大澤は企業成長と地主制について、それぞれの視点から報告し、上村雅洋氏(和歌山大学名誉教授)および井奥成彦氏(慶應義塾大学)の両氏からコメントを得た。 また、秋田県鹿角市の旧地主酒屋兼販売店所蔵の史料については、調査、整理および撮影を継続して行った。平成30年10月および、平成31年3月には、概要把握が未実施であった箱に目を通し、文書保存箱に移し替えた文書の写真による現状記録および概要把握を行い、データベースの更新作業を実施した。概要把握の中で史料を収納する箱が不足したため、新たに箱を買い足し移し替えも行った。 本研究の研究協力者である冨善、大澤両氏とともに、鹿角市立図書館所蔵の『鹿角市史』作成史料群の整理にも参加することになり、当該地域の歴史資料へのアクセス可能性がより広がることになった。 そのほか、平成31年3月には兵庫県篠山市の丹波杜氏酒造記念館および同県西宮市の白鹿記念酒造博物館において史料調査を実施し、とりわけ酒造労働や米(酒の原料ともなる)に関係する史料の閲覧および撮影を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在のところ、当初予定していた史料調査および整理は極めて順調に進んでいる。また、当初予定していなかった学会における研究発表も行うことができ、当初の計画以上に研究は進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、秋田県鹿角市およびその周辺地域における調査を継続しつつ、日本酒以外の酒類消費に関する調査を本格化させる予定である。現在のところ、ビール会社の所蔵する資料調査の実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度も調査の回数および人数を当初の予定よりも増やしたことにより、PCやカメラなどの設備備品費を執行しなかったため、次年度以降にその執行を回すこととした。
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