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2019 年度 実績報告書

1950~60年代における日本の開発と世界銀行

研究課題

研究課題/領域番号 17K03856
研究機関成城大学

研究代表者

浅井 良夫  成城大学, 経済学部, 名誉教授 (40101620)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード世界銀行 / 高度経済成長 / 経済復興 / 開発 / 開発援助 / 世銀借款 / 国際資本市場 / 国際収支調整
研究実績の概要

本研究の課題は、世界銀行(国際復興開発銀行、IBRD)が戦後復興期から高度経済成長期にかけて実施した対日借款の歴史実証分析を通じて、戦後日本の高度経済成長の歴史的意義と、その国際環境について、新たな視点からの考察を行うことにある。
本年度は研究の最終年度であるので、過去2年間の研究を取りまとめるとともに、つぎの研究への橋渡しとなる試行的な研究を進めた。
研究の取りまとめとしては、対日世銀借款を、1947~70年に実施された先進国に対する世銀借款のなかに位置づける作業を行った。今日では発展途上国のための国際援助機関として知られる世界銀行が、1960年代まで、先進国向け融資を積極的に展開していた実態を、世界銀行等の一次史料を用いて明らかにした。さらに対日世銀借款を、初期のフランス等4か国に対する復興借款や、日本と同時期に行われたイタリア、オーストラリア等に対する借款と比較する作業を通じて、対日借款の特質を把握し、その歴史的背景を解明した。
今後の研究につなぐ作業としては、1960年代に復活した国際資本市場との関連で、対日借款の検討を行った。世界銀行は国際資本市場の復活を目標に、加盟国に自力での市場からの資本調達を促した。しかし、それは国際資本移動規制を容認するブレトンウッズ体制の理念と矛盾した。世界銀行が、ブレトンウッズ体制が抱える矛盾と、いかに向き合ったのかを、本研究では対日借款を対象に明らかにした。1960年代の米国・欧州資本市場で重要な位置を占めた日本を検討したことは、今後予定している、1970~80年代の国際金融・資本市場に関する共同研究のための糸口になると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 1960年代の世銀借款と国際資本市場(下)2020

    • 著者名/発表者名
      浅井良夫
    • 雑誌名

      成城大学経済研究

      巻: 228 ページ: 1-51

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 1960年代の世銀借款と国際資本市場(上)2019

    • 著者名/発表者名
      浅井良夫
    • 雑誌名

      成城大学経済研究

      巻: 226 ページ: 1-62

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 1960年代の対日世銀借款と国際資本市場2019

    • 著者名/発表者名
      浅井良夫
    • 学会等名
      金融学会歴史部会
    • 招待講演
  • [学会発表] 1970年代の東アジア工業化と日本ー東アジア経済史研究からの示唆ー2019

    • 著者名/発表者名
      浅井良夫
    • 学会等名
      占領・戦後史研究会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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