研究課題/領域番号 |
17K03857
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
林 幸司 成城大学, 経済学部, 教授 (30612775)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高等商業教育 / 宣教ミッション / 銀行家 |
研究実績の概要 |
19世紀後半以降、アジアでは欧米諸国を中心とする帝国主義体制のもと、これを裏付ける様々な仕組みが、英米系宣教ミッションとともに、広がりを見せていた。イギリスに遅れて中国へと進出したアメリカは、宣教ミッションによる大学の設立などを通して人材育成に取り組み、その結果、アメリカ高等商業教育を背景として養成された人材が、中国人「銀行家」として活躍することとなる。本研究は、近代中国における経済制度の変容過程を、銀行業界・宣教ミッション・高等商業教育の相互作用の視点から検討することを目的とする。 本研究では、(1)アメリカ系宣教ミッションと高等商業教育の中国における展開を、中国沿海都市部・内陸部・アメリカの視点から位置づけること、(2)宣教ミッションの活動と高等商業教育の分析を、銀行業界の動向と結びつけ、アメリカに端を発する高等商業教育が中国の商慣行を内側から変革していく過程を明らかにすること、を課題としている。 本年度は、上記(1)および(2)に関して,総合的に研究をすすめた。また,これら研究成果の集大成として,近代中国の民間銀行の史的展開を扱った中国語単著(『近代中国民間銀行的誕生』)を出版するとともに,宣教ミッションと高等商業教育の関係を扱った査読付き学術論文(「1920年代、上海における宣教ミッションと高等商業教育ー上海セントジョン大学の事例から)が国内学術雑誌に掲載された。これを受けて,今後中国・アメリカ・日本における資料調査の実施と、ワークショップの開催を計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、これまでの研究成果について,中国語単著を出版するとともに,国内学術雑誌に査読付き論文が掲載され,広く公表することができた。このため、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後残された研究課題は、アメリカ宣教ミッションと高等商業教育の中国における展開を、中国沿海都市部・内陸部・アメリカから位置づけるとともに、これを銀行業界の動向と結びつけ、アメリカに端を発する高等商業教育が内側から中国の商慣行を変革していく過程を、総体的に解明していくことにある。このため、中国・アメリカ・日本における資料調査を実施するとともに、その研究成果をワークショップ開催を通じて広く公表していくことが、今後研究を進める上での方策となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は海外資料調査の実施および国際ワークショップの開催を計画していたが,コロナウイルス感染症の影響により,これらの実施を延期することとしたため,次年度使用額が生じた。次年度では引き続き上記計画を実施する予定であるが,諸般の事情により実施できない場合は,日本国内における資料調査およびオンラインでのワークショップの開催を企画したい。
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