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2019 年度 実施状況報告書

国際労働運動の発展過程-オーラルヒストリーによる労働運動の戦後史研究の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K03859
研究機関高千穂大学

研究代表者

田口 和雄  高千穂大学, 経営学部, 教授 (70407659)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードオーラルヒストリー / 労働史 / 国際労働運動 / 産業別組織
研究実績の概要

国際労働運動実務者等へのオーラルヒストリー調査を行い、労働運動史を含む労働史研究者、労働組合関係者等への利用・外部への普及等に利用可能なオーラルヒストリー史料群の整備・拡充を図ることを目的とする本研究の実績ついては、本年度は本研究が取り上げている3つの課題の課題――(1)新調査の計画~本研究協力機関と連携したオーラルヒストリー調査協力者のリスト作成、(2)新調査の実施~オーラルヒストリー調査協力者への調査、(3)オーラルヒストリー調査協力者から提供された非公式一次史料群のアーカイブ化の推進――に取り組んだ。
具体的には、研究計画で掲げた3つのステップ(【ステップ①】既存のオーラルヒストリー史料群による研究報告、新調査計画の実施、【ステップ②】新調査の実施と調査協力者から提供された非公式資料群のアーカイブ化、【ステップ③】新調査による史料群の研究報告と研究論文の作成)を実施した。すなわち、岩崎馨氏(一般財団法人・日本生産性本部労働研究センター事務局長)の協力を受け、浅澤信夫氏(元石川島播磨重工業常務取締役)にオーラルヒストリー調査を2回実施して当時の労務管理と労使関係の状況を、守山猛氏(元合化労連中央執行委員・総合政策局長)にオーラルヒストリー調査を2回実施して当時の労働組合の運動状況ならびに産業別組織の変遷を、さらに岩崎馨氏と高橋昭夫氏(元鉄鋼労連書記・元社会新聞)にオーラルヒストリー調査を1回実施し、当時の労働組合の運動状況をそれぞれ伺った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画で掲げた3つのステップを実施し、4人のオーラルヒストリー調査(浅澤信夫氏:2回、守山猛氏:2回、岩崎馨氏:1回、高橋昭夫氏:1回)を行い、研究論文を1点発表した。なお、浅澤氏、守山氏のオーラルヒストリー調査は当該年度で終了する予定であったが両氏の発言による新たな論点が出てきたため、次年度も引き続き行うことを計画している。
【ステップ①】既存のオーラルヒストリー史料群による研究報告について。当該年度オーラルヒストリー調査を実施した岩崎馨氏の取りまとめを終え、調査報告書の作成を進めた。また、岩崎馨氏の協力を受けながら、翌年度の新調査の計画に向けた検討に取り組み、高橋昭夫氏(元鉄鋼労連書記・元社会新聞)にオーラルヒストリー予備調査を行い、オーラルヒストリー調査を行う目的・意義と調査内容を説明しつつ、当時の労働組合の運動状況、労務管理の状況ならびに産業別組織の変遷を伺った。
【ステップ②】新調査の実施と調査協力者から提供された非公式資料群のアーカイブ化について。【ステップ①】における新調査の計画をもとに浅澤信夫氏と守山猛氏へのオーラルヒストリー調査を実施、当該年度中に浅澤氏、守山氏とも各2回の調査を行った。なお、両氏に対するオーラルヒストリー調査は当該年度で終了する予定であったが両氏の発言による新たな論点が出てきたため、翌年度も引き続き調査を行うことを計画している。また、過年度、岩崎氏から提供されたアナログ音声の記録媒体(カセットテープ)のデジタル音声変換を終えたテープ越し編集作業を継続して行った。
【ステップ③】大島久幸氏(高千穂大学経営学部)から提供された戦間期の明治商店の人事関連資料の提供を受けて、研究論文を作成した。

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき、次年度はつぎの3つを実施することを計画している。
【(1)浅澤信夫氏へのオーラルヒストリー調査の完了と報告書の作成】 当該年度に実施した浅澤氏に対するオーラルヒストリー調査は当該年度で終了する予定であったが、ので、翌年度も引き続き同氏への調査を行い、オーラルヒストリー調査報告書を作成する。
【(2)守山猛氏へのオーラルヒストリー調査の完了と報告書の作成】 当該年度に実施した守山氏に対するオーラルヒストリー調査は当該年度で終了する予定であったが、ので、翌年度も引き続き同氏への調査を行い、オーラルヒストリー調査報告書を作成する。
【(3)デジタル音声のスクリプト変換および編集作業】 一般財団法人・日本生産性本部労働研究センター事務局長、岩崎馨氏から提供された産業別組合の組合リーダー複数名を対象に行ったインタビュー調査の非公開アナログ音声の記録媒体(カセットテープ)をデジタル音声データに変換した音声データのスクリプト変換作業を継続して行う。インタビュー調査の対象者となった組合リーダーは現在、鬼籍に入られているため、その音声内容は労働運動史研究において貴重な史料群である。そこで、予算の執行状況を勘案しながら、デジタル音声のスクリプト変換作業を継続していきたい。

次年度使用額が生じた理由

(理由) 次年度使用額が生じた理由は次の2点である。第1は、オーラルヒストリー調査の対象者(浅澤信夫氏、守山猛氏、岩崎馨氏、高橋昭夫氏)の居住地が勤務地近郊であるため、旅費が当初の計画より少なく済んでしまったことである。第2は、オーラルヒストリー調査の対象者は謝金の受け取りを断ったため、人件費・謝金の支出が行われなかったことである。
(使用計画) 次年度では、浅澤氏、守山氏へのオーラルヒストリー調査の際に両氏に謝金を支払う。また、予算の執行状況に応じて「8.今後の研究の推進方策」内の「今後の推進方策」で述べた【(3)デジタル音声のスクリプト変換および編集作業】で発生する費用に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 戦間期におけるホワイトカラーの給与統制と賃金管理2019

    • 著者名/発表者名
      田口和雄・大島久幸
    • 雑誌名

      高千穂論叢

      巻: 第54巻第2号 ページ: pp.99-120

    • オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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