研究課題/領域番号 |
17K03865
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
西村 友幸 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (30325881)
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研究分担者 |
加藤 敬太 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (10581861)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 経営学 / 経営学説 / 日本経営学 / オーラルヒストリー / 研究史 |
研究実績の概要 |
当初の計画にしたがい、わが国の現代経営学の俯瞰的なレビューとインタビューのフレームワークの構築を行った。これと並行して、2年目以降に予定していた当事者へのインタビューを前倒しで実施した。 ①6月に東京で、奥村昭博先生(静岡県立大学副学長・特任教授、慶應義塾大学名誉教授)と加護野忠男先生(甲南大学特別客員教授、神戸大学名誉教授)のお二人にインタビューした。両先生は、『組織現象の理論と測定』(千倉書房、1978年)、『日米企業の経営比較』(日本経済新聞社、1983年)、『企業の自己革新』(中央公論社、1986年)などの作品を共同で手がけ、わが国現代経営学の発展を牽引してきた重鎮である。インタビューでは、お二人の出会い、それぞれの作品にまつわるエピソード、往時と現在との認識の違いなどについてお聞きした。 ②11月に大阪で、金井一頼先生(大阪商業大学教授、大阪大学名誉教授)にインタビューした。金井先生は、研究の対象(ベンチャー企業、イノベーション、クラスターなど)や方法(ケーススタディやアクションリサーチなど)の新しさの点で、わが国経営学のパイオニアの一人と目される人物である。インタビューでは、こうした先駆的研究に着手した経緯や研究関心の変遷についてお聞きした。 これら2件のインタビューのうち、①の手稿は「経営学者のこゝろ〔Ⅰ〕―奥村昭博先生と加護野忠男先生に聞く―」というタイトルで『小樽商科大学 商学討究』第68巻第4号(2018年3月発行)に掲載された(著者:西村友幸・加藤敬太・笹本香菜)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【研究実績の概要】で述べたように、2件のインタビューを前倒しで実施したため、当初の予定よりも進捗していると評価しうる。これも上述のとおり、そのうち1件のインタビュー手稿は『小樽商科大学 商学討究』に掲載済みである。また、昨年度中に、今後のインタビューの内諾も複数から得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
上記【研究実績の概要】で述べた②のインタビュー手稿は、「経営学者のこゝろ〔Ⅱ〕―金井一頼先生に聞く―」というタイトルで『小樽商科大学 商学討究』第69巻第1号(2019年7月発行)に掲載される予定である(著者:加藤敬太・西村友幸・笹本香菜)。 昨年度中に内諾をいただいた方を含む当事者へのインタビューを引き続き実施し、その手稿を『小樽商科大学 商学討究』などの学術誌に順次投稿する。 インタビューの準備と実施、手稿の校正といった作業の円滑化のため、研究協力者を1年間務めた笹本香菜を研究分担者に加えることとする。 平成30年9月22・23日の2日間にわたって、小樽商科大学で組織学会年次大会が開催される(実行委員長:西村友幸、事務局長:加藤敬太)。開催校でオーガナイズするセッションのうち、特に西村講演(論題「組織論の対象と方法」)において、本研究のその時点までの成果を口頭で発表し、大会参加者からのフィードバックを得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度中にインタビューをもう1件実施する予定であったが、都合がつかず断念した。先述のとおりインタビューの内諾はすでに数人から得ているので、『小樽商科大学 商学討究』などの成果公表のための雑誌の発行タイミングを見計らいながらインタビューを実施していきたい。
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