研究課題
現代の企業には,自然環境にできるだけ負荷をかけずに存続と成長が可能となるような「調和」が求められている.しかし個々の企業の環境保全の動機は様々であり,具現化された活動も多様なレヴェルにある.理由の一つは,環境と経済の両立を促進する組織内要因の相互作用の解明が未発達であることが大きい.この問題意識から我々は,組織文化および組織アイデンティティの概念を中核に据え,これら目に見えないインターフェイスを通じて総合的に組織内外の因果関係を探求する研究計画を示してきた.最終年度は以下,3つの当初計画に沿って取り組みを進めた.これは,①四国地域のサービス業のデータストック(約500サンプル)を用いてPorter仮説の統計的分析を完了し,結果を国内外の学会で発表しつつ国際ジャーナルへ投稿すること,②昨年度に行った欧州の日系食品製造業5社への定性的調査の言説分析を進めながら補完的インタビューを実施すること,③その際,欧州の研究者と構築した人的ネットワークを活用しつつ,より高度なレヴェルへの成果の修正・公開をめざすこと,であった.①については,国内の日本経営システム学会で発表を行ったほか,海外ではElsevierの査読付きジャーナル等に投稿中である.そして②および③については,Shoda Sauces Europe Company Limited(英国)への補完的調査を行い,前年度の欧州の日系食品製造業5社への定性的調査と合わせてインタビューデータベースの作成を終えることがきた.これをもとに,英国Cardiff大学のRick Delbridge教授らとディスカッションするなどし,その背後にある因果関係の考察を深めた.一連の調査を終えた結果,国際ジャーナルへの投稿・掲載(1件,査読有),国際会議での発表(2件,うち1件は審査有),国内学会での発表(2件)を最終年度に公開するに至っている.
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
The Journal of Organization and Discourse/ The Japanese Standing Conference on Organizational Symbolism
巻: 1 ページ: 12, 21