研究課題/領域番号 |
17K03880
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岩佐 和幸 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (40314976)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脱ファスト化 / グローバル化 / 外国人労働力 / 地域産業 |
研究実績の概要 |
2020年度は、産業学会での共通論題報告を予定していたものの、年度当初よりコロナ禍の周期的な蔓延のため、大会自体が翌年度に延期されることになった。また、学会報告の準備作業として当初予定していた全国各地でのアパレル産地の現地調査についても、同様の理由から実現が叶わず、次年度に持ち越しとなった。 そのため、今年度の実績としては、①アパレル業界に関する先行研究の収集ならびに批判的検討を行うとともに、②高知県内を中心とするアパレル企業4社の調査結果の分析・データ整理作業を行った。 あわせて、③地域産業の歴史的形成過程を明らかにするため、国立国会図書館やオーテピア等を通じて、全国紙・地方紙・業界紙並びに各種業界関係資料等を基に、関連文献・記事の収集ならびにデータベース化を行った。 加えて、紙面では明らかにされない現場の実情に迫るべく、④高知県庁や高知県産業振興センター、高知県公文書館等において、関連業界に関するヒアリング調査と資料の所在確認を行った。そこから、旧中小企業公社時代からの年鑑類・内部資料を収集し、それらのデータベース化と分析作業を行った。 以上と並行して、地域産業の現状分析の一環として、⑤直面するコロナ禍の下での地域経済・地域産業の影響の実態を、高知県での関連機関・団体での調査を通じて分析を行い、「コロナショックと地域経済の現局面」という論文を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、これまでの研究動向のサーベイならびに調査研究の分析作業、地域産業の歴史的文書類の収集・データベース化・分析を行い、研究発表ならびに論文執筆に向けた準備作業を行った。ただし、当初予定していた学会報告や現地調査が、コロナ禍によって延期・県外出張規制に直面し、最終年度の研究計画の中断を余儀なくされた。 次年度は、不足するテーマの洗い出しを行い、コロナ禍の収束に合わせて追加調査を実施するとともに、研究発表や論文公表等、作業の遅れを取り戻す計画を立てている。
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今後の研究の推進方策 |
現在確定している計画は、2021年6月13日、産業学会(第59回)全国研究会への参加である。共通論題「アパレル産業の日欧比較――繊維産地の構造変化と競争力の再構築に向けて―」のパネリストとして、本研究の成果の一部を紹介する予定である。それと並行して、アパレル産地の現地調査を追加で実施する予定である。 以上を踏まえ、最終年度の成果として、年度末までに論文等を提出することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、コロナ禍の影響で、研究に関する県外出張が大学の指示で規制されてしまい、学会参加や現地調査等が実施できなかったため、旅費を中心に主要な予算執行が困難となった。 次年度は、学会報告や補足調査を中心に予算執行を着実に進める予定である。
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