本研究の意義は、第1に、日本の産業空洞化・産業リストラの典型産業の1つであるアパレル産業に焦点を絞り、その実態をグローバル化とファスト化の視角からアプローチした点である。第2に、産業再編の内実を地域経済・産業の視点から迫り、国内の産地間の格差を、商品連鎖分析と周辺産地構造分析を通じて検討した点である。第3に、グローバル化・ファスト化の中での産地の内部構造を、グローバル化への適応策をとる企業とローカル化を軸に脱却を模索する企業の比較分析を、実態調査を通じて明らかにした点である。最後に、現状の打開策を強化するための地域産業・公共政策の必要性を提起した点である。
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