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2018 年度 実施状況報告書

確定拠出年金制度採用における規模要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K03886
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

吉田 和生  名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30240279)

研究分担者 壁谷 順之  朝日大学, 経営学部, 講師 (50588944)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード確定拠出年金 / 中退共 / 規模効果 / 退職給付会計 / 実証分析
研究実績の概要

H29年度の研究を継続して、H30年度では確定拠出年金と確定給付年金を比較する理論モデルを構築した。その理論モデルはコスト最小化理論を援用したものであり、2002年の論文(Determinants of Japanese Corporate Pension Coverage, Journal of Economics and Business)を基にしている。また、2000年から2015年までのデータを対象に、確定拠出制度の採用行動を説明する実証的な分析を行った。推定モデルはCox Hazard Modelであり、さまざまな分析を行った。
現在までの分析の結果、規模変数が依然として非常に強いことが明らかとなっている。日本では大企業ほど確定拠出年金を採用しており、この点、アメリカ等の海外研究と異なる結果となっている。さらに、2012年の論文(Determinants of Defined-Contribution Japanese Corporate Pension Coverage, Japanese Accounting Review)では、規模変数は外国人所有割合や金融機関所有割合と関連性が強く、これら2変数の追加によって、規模の説明力が大きく低下していた。しかし、今回の分析では2変数を含めた分析でも規模変数の説明力は非常に強く、関連性がないようである。
さらに、労働組合の変数を追加した分析も行った。労働組合が組織されている企業ほど、確定拠出年金を積極的に導入していることが判明している。この点もアメリカ等の海外研究と異なっており、この事実を解明する調査を現在行っている。当該調査は2000年前後における新聞記事を中心に実施しており、確定拠出年金に対するわが国の労働組合の考えや姿勢について調査を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

堀場先生との共同研究が順調に進み、理論モデルの構築を終了して検証仮説の導出が完了している。2001年から2015年までの財務データを収集して、実証分析を行っている。多くの分析を行いつつ、その結果について吟味・検討を重ねており、論文の作成への最終段階に進んでいる。

今後の研究の推進方策

H29年度とH30年度の研究によって先行研究のサーベイ、理論モデルの構築、そして、データを使った実証分析についておおよそ終了している。H31年度においては、これらを整理して論文としてまとめていく作業が中心的な研究となる。論文は英文で執筆し、海外の学会やシンポジウムで報告するほか、海外ジャーナルに投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

H30年度において企業財務データを購入する予定であったが、所属する大学において当該データを購入したため、購入しなかった。その代わりに当該研究に必要な退職給付情報データや株価データなどの他のデータを購入している。さらに、研究協力者の堀場先生が使用する海外旅費が予定外に多額となっているが、結果としては、次年度経費への持ち越しとなっている。当該研究は研究協力者との共同研究が中心であり、堀場先生の海外旅費への手当てが必要であると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] Tulane University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Tulane University

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公開日: 2019-12-27  

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