研究実績の概要 |
最終年度である平成31年度(令和元年度)は次の3点について研究を行った。(1)政策医療を担う公的病院の業績評価に関する財務指標の整理と検討。(2)DPC対象病院の業績評価に関する財務指標の整理と検討。(3)入院基本管理料算定病院別の業績評価に関する財務指標の整理と検討。これまで調査を行ってきたデータ収集を基に、最終年度は公的病院の代表である国立病院機構の財務分析に焦点化し、理論的な検討を実施し,財務評価の実証分析を行った。具体的には,病院機能,規模別に財務構造を把握するため、政策医療である重症心身障害有床病院、DPC対象病院、入院基本管理算定病院それぞれを機能別にセグメントし、22年度~28年度の病床規模別財務分析を行った。 その結果、(1)政策医療を担う公的病院の業績評価に関する財務指標の整理と検討においては、国立病院機構の固有性を示す政策医療である重症心身障害有床病床との比較検討の結果を経営情報イノベーション研究への投稿としてまとめることができた。また、(2)DPC対象病院の業績評価に関する財務指標の整理と検討においては、商大ビジネスレビューへの投稿としてまとめることができた。さらに(3)入院基本管理料算定病院別の業績評価に関する財務指標の整理と検討においては、日本臨床看護マネジメント学会への投稿としてまとめることができた。これらの3つの投稿に加え、入院基本管理料算定病院別財務分析は、日本病院管理学会において発表を行った。これらの研究の結果から、国立病院機構固有の特徴として、民間一般病院では実施できない医療の提供という固有性と運営の継続・維持の間における包括的な医療提供を実施する極めて病院機能の幅の大きい機関として捉えることができた。
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