最終年度は、2018年に行った本研究における調査「ジェンダーバイアスとリーダーシップ」(25社約2500人対象)の分析結果を、研究会や講演で報告発表した。企業経営者や管理職、また女性リーダーの研究会などで、調査結果をもとにディスカッションを行い、問題提起をすると同時に、考察を深めることができた。 研究期間全体を通しては、上記の定量調査のほか、日本、米国シリコンバレー、ドイツにて定性調査を行い、「女性リーダーの組織内育成」について、比較分析を行った。とくに女性リーダーが飛躍的に成長を遂げた「一皮むけた経験」について、日米独で共通質問をもとに比較したところ、共通項が見いだされた。さらに組織内育成策においても共通点があることが分かった。これらの分析から、女性リーダー育成の要諦を導き出すことができた。 定量調査、定性調査の結果は、論文としてまとめたほか、人材育成学会、産業組織心理学会、情報ディレクトリー学会で学会発表を行った。さらに広く一般の人にも問題提起をするため、日経ビジネス電子版、日経電子版などオンライン記事、また書籍『女性リーダーが生まれるとき――「一皮むけた経験」に学ぶキャリア形成』でも成果を発表した。このほか、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所、21世紀職業財団、各種ダイバーシティ推進団体などで、成果発表会を行った。研究者のみならず、企業や自治体で働く人など、幅広い層に研究成果を届けることができた。
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