研究課題/領域番号 |
17K03892
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
星野 広和 國學院大學, 経済学部, 教授 (50369162)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 製品リコール / 組織学習 / 組織外との相互作用 / 自発性 |
研究実績の概要 |
平成31(令和元)年度は,リコールの発生やリコール率を低減させる要因ないしメカニズムの解明を目的に,製品リコールを契機とした組織学習に関する研究を行なった。その際,製品リコール率の低減に有効的であると考えられる「組織外ー自発的学習」について,ソニーの事例(2007年に経済産業省が設立した製品安全対策優良企業表彰への応募とそのプロセスで整備した組織的対応とその成果)を挙げて検証した。具体的な研究成果は次の3点に集約される。 (1)製品リコールの直接的経験をその後の製品安全管理,リコールマネジメント,品質マネジメントへ主体的に生かすことの有効性を指摘したこと。 (2)組織学習プロセスにおいては,製品リコールマネジメントを組織内の知識や経験だけでなく,組織外との相互作用を通じた学習を行う方が効果的であること。また外部からの非自発的(強制)リコールによる学習よりも自発的リコールの方が,リコールを契機として生産経験の長期的な蓄積や自律性の向上をもたらす可能性を指摘したこと。 (3)ケースで取り上げたソニーでは,2006年に発生したリチウムイオンバッテリーの発火事故を踏まえ,外部の製品安全表彰制度を積極的に利用することによって,技術的かつ組織的な製品安全体制と製品安全意識の徹底に関する組織文化の醸成を通じてリコール件数の低減を実現できていること。 また,昨年度に引き続き,経済産業省の製品安全対策優良企業表彰に参加し,①企業による主体的な情報収集と分析,②組織的な情報共有と学習,③品質重視の組織文化の醸成,に関する具体的な事例についての情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成31年度前期の研究計画のひとつである,組織学習を契機としたリコール率やリコール件数低減についての理論的・実証的研究は実施できた。特に,「自発的かつ組織外の組織学習」に関するフレームワークの有効性について検証できた。 また,昨年度に引き続き,経済産業省の製品安全対策優良企業表彰に参加し,製品安全への産業界および企業の現状分析,リコール件数やリコール原因の現状分析など,積み残していた平成30年度後期の研究計画を消化することはできた。 しかしながら、令和2年度の國學院大學経済学部の学部学科改組とカリキュラム改定に向けた会議やミーティングに忙殺され,当初予定していた後期の研究計画や学会での研究成果報告を十分遂行することはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定を挽回すべく研究を着実かつ迅速に推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)人件費(データ入力・資料整理)の必要性がなかったため (2)複写費および通信費の必要性がなかったため (3)新聞および雑誌について学内データベースを利用したため (4)学会発表がなかったため
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