研究課題/領域番号 |
17K03904
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
中野 幹久 京都産業大学, 経営学部, 教授 (70351690)
|
研究分担者 |
松山 一紀 近畿大学, 経営学部, 教授 (80351691)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | サプライチェーン・マネジメント / SCM部門 / 組織構造 / 公式化 / 集権化 |
研究実績の概要 |
2018年度は、主に次の2つの作業を実施した。 ひとつは、交付申請書の研究実施計画の通り、「SCM部門の役割を考察するための枠組みの定量的な検証」を行った。1年目に作成した調査票を使い、2社への追加のテストを実施して改良を加えた後、信用調査会社のデータベースを使用して、日本の製造業者2千社を対象に、郵送式のアンケート調査を実施した。結果、108社から有効回答を得ることができた。その後、回答データを使って、構造方程式モデリングや階層的重回帰分析といった統計分析を実施した。さらに、研究分担者と分析結果を議論しつつ、サプライチェーンの企業内組織構造の変数である公式化と集権化がオペレーションのパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを検証した。上記の過程で、研究分担者との議論を目的とした打ち合わせを4回行った。合わせて、統計分析の結果について、有識者1名から助言をもらった。 もうひとつは、「アンケートでの検証結果を補強するための定性的なフォローアップ調査」である。交付申請書の研究実施計画では、この作業を3年目(2019年度)に実施する予定であったが、分析結果の解釈をより深めるために、前倒しで進めている。具体的には、1)パフォーマンスの優先順位(に関する回答結果)の背景、2)パフォーマンスの優劣(に関する回答結果)の実態、3)SCMタスクの公式化と集権化(に関する回答結果)の実態、4)公式化や集権化以外で、パフォーマンスに正負の影響を及ぼす要因とその実態について、アンケートの回答企業5社へのインタビュー調査を実施した。 上記作業をとりまとめた結果を、国内学会のセミナーで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度の初めに立てた研究計画からの遅れはなく、順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
アンケートで入手したデータを統計的に分析すると、サプライチェーンの企業内構造における公式化の程度がオペレーションの応答性には有意な影響を及ぼす一方、効率性には有意な影響を及ぼさないとう結果が得られた。この結果についての解釈を深めるために、業界、規模、公式化の程度、パフォーマンスの程度といった、さまざまな企業選定条件を設定して、定性的なフォローアップ調査を実施する必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の次年度使用額については、2年目に実施したアンケート調査の統計分析に関する結果を定性的にフォローアップするために、3年目に企業へのインタビュー調査を実施する。その件数を増やすために、旅費として、約50万円を残しておきたい。 研究分担者の次年度使用額については、関連文献の調査を実施するために、物品費として、約2万5千円を残しておきたい。
|