研究課題/領域番号 |
17K03909
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20258312)
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研究分担者 |
柳原 佐智子 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (40262505)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会物質性 / 情報倫理 / 顧客情報 |
研究実績の概要 |
コロナ禍でオンライン開催となったETHICOMP2020(18 International Conference on the Ethical and Social Impacts of ICT)において、「On the Challenges of Monitoring and Control of AI Artifacts in The Organization: From the perspective of Chester I. Barnard's organizational theory」と題する報告を行い、その内容がアブストラクト集に掲載された(pp.267-269)。 そこでは、顧客を組織構成員とみなした近代組織論の鼻祖バーナードの組織概念を援用し、顧客が個人情報を進んで提供するような「貢献意欲」、個人情報活動を通じて実現される価値観(共通目的)、そして、顧客と企業の「コミュニケーション」の重要性を再確認した。加えて、協働システムとしての組織が「制度」として機能させるための道徳的創造性を発揮することが、益々重要になってきている点を確認した。 報告は動画を配信し、質疑を掲示板上で行う形であったことで、質疑に十分な時間を取ることができたことは良かった。また、報告セッションの登壇者全員による討議をオンラインで開催できたので、報告内容をさらに深めていく上での有益な示唆を得ることができた。とはいえ、研究の遂行の上で、コロナ禍の自粛期間の影響は少なくなかった。やむを得ず期間延長を行うことにしたので、次年度には、当該研究をまとめた論文を仕上げていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際会議の開催日程にあわせて研究期間の延長を行い、報告予稿を仕上げて、査読をパスして、報告を行うことができたという点では、順調に進展していると判断できる。とはいえ、コロナ禍の影響は少なくなく、もう少し進展できたのではないかという点は否めず、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
延長申請した最終年度には、研究成果をまとめる形で論文をしあげていく。アンケート調査を実施することで、理論枠組の補強を行って行きたい。そのために、7月までに調査票を完成させ、9月に調査を実施し、その結果をまとめて、国内外の学会で報告できるように準備したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で出席予定であった国際会議がオンライン開催となったことで、旅費のキャンセル料のみを執行することになった。加えて、国内の出張も困難な状況になったことで、研究の遂行がやや遅れてしまった。今年度は、データ分析のための謝金などに使用する予定である。
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