研究課題/領域番号 |
17K03909
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20258312)
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研究分担者 |
柳原 佐智子 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (40262505)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 顧客価値 / 顧客資本 / 行動履歴データ / 情報倫理 / CRM |
研究実績の概要 |
オンライン開催された日本情報経営学会において、「AI 人工物が内包するプライバシー問題について:フレームの観点から」と題する報告を行った(柳原佐智子との共著)。また、商業誌であるが、『宣伝会議」2月号に、「これからの企業に求められる、広告活動の倫理とは」と題する解説を寄せた。また、日本情報経営学会誌に「デジタル・トランスフォーメーションにたいする社会物質的アプローチ: 情報システム研究の展望と課題」と題する論文を掲載した。コロナ禍での期間延長申請を行ったなかで、これらの成果を上げることができた。 いずれも、購買行動だけでなく、ネット上の検索や閲覧などの行動覧歴情報を活用する際に、企業との信頼関係の重要性を指摘したものである。 近年、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)が注目されている。SNSを利用したマーケティング活動においても、ELSIへの取り組みが重要視されている。上記の研究では、その手がかりとして、顧客を「ターゲット」とみなし、その行動履歴データから「行動パターン」を抽出することで「的を絞る」という態度ではダメだと主張した。そうではなく、顧客を共創のパートナーと見なし、SNSマーケティング活動を通じて、新しい価値を提案するとともに、顧客による価値の編成を促すような仕組みが重要である点を強調した。語弊を畏れずに言えば、目から鱗が落ちるような新しい価値の共創と、それに共感の輪を生みだすようなコミュニティの形成が重要なのである。これらの点を明らかにできたことが本年度の研究実績と言える。
とはいえ、コロナ禍で十分な調査研究を遂行できなかったことも事実である。今後は、信頼を鍵とする顧客価値の具体的な諸元を解明するために調査を進めていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍での事例調査などの遂行が上手く進んでいない。 とはいえ、事例研究と並行して遂行する予定であった概念モデルの構築については、少し進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
概念モデルを構築し、ようやく対面開催が復活してきた国内外の学会で報告する予定である。 また、そこでの議論を踏まえて、学会誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で参加予定していた国際会議が中止となったために予算執行に支障がでてしまいました。次年度は、学会誌に登校するための論文の英文校閲などに使用する予定である。
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