研究課題/領域番号 |
17K03922
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
宮崎 久美子 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (20281719)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 価値創造 / サービスイノベーション / 組織能力 / AI / コンペテンス / 研究開発力 |
研究実績の概要 |
基盤(C)研究の最終年度において、学際的に実施された分析結果を元に、さらに掘り下げた発展分析を実施し、米国で行われる国際会議で発表する予定だったがコロナの影響を受け会議はキャンセルされた。その代わりに国内の学会年次大会で5件発表した。中国企業BYDがいかに電気自動車分野でキャッチアップしたのかテクノロジー能力チェーンという概念をベースに共同研究を進めた。EIL(高齢者の独立した生活)を支援するAI技術に関する科学計量分析に基づいた、発展研究を海外の研究協力者と行い、国や地域の研究開発競争力、協力動向を分析した。知識構造研究に続き、新な価値創造の機会創出についてジャーナルに投稿し、掲載された。 サービスイノベーションにおけるアンバンドリングに関連する文献をレビューし、エアライン産業のアンバンドリング戦略に影響を与える要因について質的な分析を、全日空(ANA)とアイスランド航空を対象に行い、経営情報学会年次大会で発表した。日本におけるPPP/PFI事業の枠組みを通じた、建設会社の戦略及び組織能力の蓄積がパフォーマンスに影響を及ぼすメカニズムを明らかにする上で特に、廃棄物処理PFI事業を実施する3つのプラントエンジニアリング企業のケーススタディから、PPP/PFI事業の実施を通じて、グループ企業内における設計・建設を担当する企業と運転・維持管理を担当する企業の連携 により、サービス化に必要な知識・経験が蓄積される体制を構築するなど、技術力、プロジェクト能力、協働作業能力、組織能力の中長期的変遷について分析を行い、日本MO学会年次大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響により、海外出張が出来なかったために海外で行う予定だった現地のヒアリング調査などが出来なかったことにより遅れが生じた。海外の共同研究者と電気自動車に関する研究を進めてきたが、中国ではロックダウンなどにより、研究に支障が出ており、共同研究者による研究にも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度において、今まで学際的に実施された分析結果を元に、さらに掘り下げた発展分析を実施し、総合的比較分析を行う。具体的にはAIを使った高齢者向けシステム開発において昨年行った研究に続き、海外の研究協力者と発展研究を継続する。いくつかのケーススタディーを元にAIを活用する上でどのような課題が存在するのか明確化し、わが国の劣位ポイントを指摘し、あわせ価値創造に向けた対応策を提言する。中国がいかに電気自動車分野でキャッチアップしたのかテクノロジー能力チェーンという概念をベースに取り組んで来た研究を継続し、新たなキャッチアップ理論を構築する。 公的放送業界におけるビッグデータの利活用に焦点を当て、ビッグデータと放送技術のコンバージェンスが起きる過程の可視化を図り、それがいかに放送事業者の長期ビジョンや戦略と関わっているのか質的な面でNHKとBBCの比較分析を行い、ジャーナルに投稿する。サービスイノベーションにおけるアンバンドリングについて、航空業界を対象とし、アンバンドリングに影響を与える促進要因と阻害要因、およびプラットフォーム戦略など様々な要因についてケーススタディーを行い、国際会議で発表する。今まで行って来た分析結果を元に、新興技術を基盤とした次世代型イノベーションシステムについてマクロ、メゾ、ミクロレベルにおいて総合的に分析し、政策提言を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021 年の夏に米国で開催されるMOT分野の国際会議PICMETで発表する予定だったがコロナの影響を受け、国際会議が中止されたのでその渡航費や会議参加費の分を使用しなかった。最終年度を迎え、残額12万円は他大学の研究者と研究成果について意見交換をする際国内出張費や文房具などその他の費用として使う予定である。
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