本研究の目的である日本型経営生産システムの歴史的位相を評価するために、国内外の日本企業を訪問してその活動実態を調査した。また、得られた資料を整理・分析して、研究報告や論文執筆などを行った。本年度で特記しておきたい実績は以下のとおりである。 1)現地調査 : ①モンゴルに進出している日系企業とモンゴル現地企業に対するインタビュー調査を行った。また、現地家電量販店と現地自動車ディーラーに対する訪問視察も行い、日系企業のモンゴルにおける市場地位について調査を行った(2019年4月30日~5月7日)。②ダイハツ九州大分中津工場を訪問し、工場の生産管理運営実態に関するインタビューと現場視察を行った(8月20日)。③中国とタイに所在している日系企業(トヨタ、ホンダなど)と中国企業(BYDなど)を訪問し、日本型システムの海外進出企業への適応と適用を調査した(8月25日~9月14日)。 2)各種研究会、学会での発表活動 : ①モンゴル国立大学で開催されたInternational conference“Globalization and Business Development”に参加した(5月3日~4日)。そこでは、日本型システムの海外進出企業への適応と適用に関する研究報告も行なった。②福岡大学で開催された日本南アジア学会九州部会が主催する「インドと国際化する日本企業に関する研究会」に参加し(5月17日~19日)、日本型システムの海外進出企業への適応と適用に関する研究報告も行った。 3)論文、著書の刊行 : ワーキングペーパーであるが、安保哲夫「BMW・南アフリカ工場(BMW SA Plant)」公文溥・糸久正人編著『アフリカにおける日本企業の事例研究 Ⅰ』法政大学イノベーションマネジメント研究センターワーキング・ペーパーシリーズNo. 2013、13頁、2019年10月2日と安保哲夫「関西ペイント・南アフリカ(Kansai Plascon : KPAL) 」法公文溥・糸久正人編著『アフリカにおける日本企業の事例研究Ⅱ』法政大学イノベーションマネジメント研究センターワーキング・ペーパーシリーズNo. 2014、10頁、2019年10月2日の2本を執筆した。また、分担研究者の佐藤隆広が、Journal of Interdisciplinary Economicsの南アジアの政治経済に関する特集号を共同編集し、2019年12月以降、同特集掲載予定の論文がオンライン上で早期公開されたことも付記しておきたい。
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