研究課題/領域番号 |
17K03931
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
細見 正樹 香川大学, 経済学部, 講師 (90773086)
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研究分担者 |
大里 大助 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (20435126)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ワーク・ライフ・バランス / テレワーク / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
2017年度は、在宅勤務の円滑な運用の条件についての仮説構築,量的調査および質的調査を実施した。第1に国内外の在宅勤務に関する既存研究および資料の収集・分析を実施した。 第2に家庭内で仕事をすることの効果について研究した。まず,ワーク・ライフ・バランスと組織市民行動の関係,および家庭内リソースと職務態度の関係について研究した。前者は,実証分析の結果,仕事と生活のバランスがどの程度実現できているかの認識は,従業員の組織市民行動の度合いに影響を与えることを示し,日本情報経営学会(2017年11月)で報告した。また,後者は,家庭内リソースが高まれば,職場環境が良好でないとしても,職務態度に与える悪影響が緩和されることを示した。この結果は,Academy of International Business Southeast Asia Regional Conference (2017年12月)で報告した。 第3に在宅勤務の効果に影響する,仕事と仕事以外の領域の線引きについて,所属組織と地域とのアイデンティティに焦点を当て研究した。質問紙調査を実施・分析した結果,コミュニケーションや仕事と家庭との線引きが働きやすい職場づくりに影響を与えることを実証した。この結果は,2018年3月に『経営研究』で発表した。 第4に在宅勤務制度を有する地方自治体A・B県の職員を対象にインタビュー調査を行った。A県では制度利用者およびその上司(約10名)にインタビュー調査を行った。コミュニケーションの特徴とその影響に着目したうえで,諸外国とは異なる日本的コンテクストの影響を受けている可能性を示した。この研究成果は,日本情報経営学会(2018年6月)で報告予定である。B県については,2017年7月にテレワーク推進部局に現地調査を行っており,2018年度の早い時期に幹部職員を対象に追加調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究のレビュー、仮説構築,質問紙調査およびインタビュー調査の実施および分析を行うことができており,当初の計画どおりに進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
在宅勤務の効果に関連する家庭内リソースの効果について,2018年6月にAcademy of Japanese Business Studiesで学会報告を行う予定である。加えて,在宅勤務を行っているA県の質的調査の結果についても,2018年6月に日本情報経営学会で報告を行う。 また,B県の現地調査結果についても,インタビュー調査の結果および既存研究をもとに研究を深め,2019年度の学会報告を目指す。さらに,既存研究の整理,これまでの量的・質的調査の結果を踏まえ,2018年夏休み期間に企業および地方自治体を対象とした質問紙調査の調査票項目を精査し,2018年度秋に質問紙調査を実施,その分析結果をもとに2019年に学会報告を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査にあたって、同一日に複数人と面会することができたため,旅費を節約することができた。
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