研究課題/領域番号 |
17K03932
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研究機関 | 産業技術大学院大学 |
研究代表者 |
板倉 宏昭 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (80335835)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | サイト・スペシフィック・ストーリーテリング / SiteSpecificStorytelling / 内部力(ジモティ) / 外部力(ヨソモノ) / 内部力と外部力の新結合 / 戦略化 |
研究実績の概要 |
地域ビジネスの基盤となる「『地域ならではの物語』を売ること」を「サイト・スペシフィック・ストーリーテリング(Site Specific Storytelling:SSS)」(以下、SSSと略す)と定義し、その構造を分析している。 平成29年度は、ケース単位で地域の担い手によるSSSの構造研究を行った。「内部力(ジモティ)だけではなく、外部力(ヨソモノ)を含めた組織が相互交流して、SSSという行動を実践し、戦略化(Strategizing)する」という戦略観にたって分析を進めている。事例は、これまでの研究蓄積がある四国地域に対して先行的に行った。例えば、安心・安全な高品質国産オリーブを生産・販売し、新たな高付加価値の食の提案をするオリーブ農家などである。 また、所属機関が東京都が設置する機関になったため、東京の島嶼部を加えた。例えば、八丈島について、明日葉や黄八丈などの地域産品や外部力(ヨソモノ)がコミットしている牧畜業の再生のケースについて検討した。 地方圏の中枢都市として、開業率が高い福岡をとりあげて現地調査を行った。例えば、旧大名小学校(昭和4年建築)建物を利用した Fukuoka Growth Next、スタートアップカフェなど産学公連携によるSSSの戦略化について調査を進めている。 以上を通じて、地域ビジネスの離島/山村/農村などの地方圏、地方圏の中枢都市、大都市圏の比較研究を含めた総合的な関係について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関が香川県から東京都に変わったため、東京都の島嶼や多摩地区、東京都心における地域課題など新たな事例を扱っている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、事例収集とインタビュー調査を進める。 また、地域間の比較を含めて調査票調査を含む定量的研究を実施したい。SSSの戦略化の因果関係を含む構造分析のために、通常の多変量解析の他、共分散構造分析(SEM)やニューラルネットワーク分析を併用することを予定している。 このような分析を進めるためのハードウェア、ソフトウェア環境、研究補助者などの環境整備が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関が香川県から東京に異動したため、事例研究の対象が変更された。一部を所属機関の通常の研究費で充当した。
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