・地域ビジネスの基盤となる「『地域ならではの物語』を売ること」を「サイト・スペシフィック・ストーリーテリング(Site Specific Storytelling:SSS)」(以下、SSSと略す)と定義し、その構造を明らかにしてきた。地域ビジネスに有効なSSSの規定要因と影響要因を明らかにすることにより、地域企業のみならず、全国企業の地域戦略や行政の政策に貢献できるという考えである。単なるミクロな個別プロセス研究ではなく、理論的にSSSの戦略化(Strategizing)の観点から、組織論と戦略論の新たな展開を図ってきた。 ・本研究では、組織論と経営戦略論の新たな方向性に貢献したい。つまり、戦略策定の計画や実行ではなく、SSSが戦略化(Strategizing)して戦略出現(Emergence in Strategy-Making)する過程を明らかにしてきた。 単にミクロなプロセス研究ではなく、横断的なSSSというプラクティスに注目して、外部力との連携や非営利活動が営利化する戦略化(Strategizing)を明らかにしてきた。 ・最終年度2022年度は、地域ビジネス、あるいは、地域振興の成功要因は何か、地域バリューチェーン(地域価値連鎖)を用いた実証研究を行った。 ・檜原村関係者へのアンケート調査のデータをもとに、統計的方法論(多変量解析、構造方程式モデリング1やテキストマイニングを含む NPS (Net Promoter Score)を利用して、檜原村の構造的な分析を行った。 ・通常の調査票は、現状を分析する内容である。NPSの推奨度を導入することで、ある程度将来を予測したうえで、テキストマイニングとAIツールによりポジティブ・ネガティブワードを抽出することにより背景を分析した。
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