研究課題
本研究は、大学等で生まれた技術を破壊的なイノベーションに結びつけるために、技術価値を顕在化させ、事業にコミットする起業家へと橋渡しする第三者を 『ナーチャリング・アントレプレナー(NE;乳母起業家)』と定義し、そのコンピテンシーを明らかにすることを目的としている。ちなみに、本科研費申請段階ではNE:乳母起業家を『ナーシング・アントレプレナー』と称していたが、海外での学会発表等でのコメントを受けて、現在は『ナーチャリング・アントレプレナー』へと表記を変更した。三年目である令和元年度は、前年度に実施した日本国内の技術移転・産学連携実務者を対象とした定量調査の結果を踏まえて、さらに当該人材に求められるコンピテンシーの詳細を把握するために、5機関・延べ10名の技術移転人材に対してインタビュー調査を実施した。具体的には、(1)大学研究者からの発明開示~技術移転完了に至る詳細なプロセス、(2)当該プロセスで求められる知識およびスキル、(3)プロセスを前に進める際の自身の特徴的な行動様式、(4)技術移転業務に対する動機、(5)個人が有する特性(自己分析)、といった項目について情報を収集し、技術移転人材に求められるコンピテンシーを明らかにした。このインタビュー調査によって得られたデータの一部は、イノベーション分野で著名なジャーナルであるTechnovationの特集号(Surviving the Valley of Death)への投稿論文のリバイスに活用し、同論文は最終的にアクセプトされるに至った(アクセプト:2020年3月、発行予定:2020年6月)。加えて、2020年冬に開催される国際学会(ISPIM Osaka)での発表に向けて、分析結果を取りまとめ中である。
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Technovation
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