本年度の研究実績については、(1)学術論文1編:「心理的特性を規定するモティベーションのレベル」『宮城大学ジャーナル第2号』(宮城大学・全10頁)、(2)国際学会Proceedings2編:韓国日本近代学会第42回国際学術大会「キャリア中期の危機の構造的理解」(Web・東義大学校・全6頁)、韓国日本近代学会第43回国際学術大会「組織における基本的価値の抽出-人材育成、LGBTQ+、ハラルへの認識-」(Web・東義大学校・全7頁)、以上の3編である。また、2021年5月実施(オンデマンド)の浜松市教育委員会の教員免許状更新講習「学習リーダーの育成」においても、これまでの調査、分析、考察の研究成果の一部を報告した。 研究期間(5年間)全体を通じての研究実績については、(1)学術論文4編、(2)国際学会Preceedings7編、(3)発表8編、(4)研究報告書3編、以上の22編である。 これら一連の研究活動から、〇目的1:組織成員のキャリア形成のプロセス特性を「定性分析」に基づいて構造化する、〇目的2:組織成員の「キャリア中期の危機」を「定量分析」に基づいて抽出し顕在化させる、〇目的3:「キャリア中期の危機」を克服するための「コーピング」モデルの要件を提示する、〇目的4:「コーピング」を有効に機能させるための「キャリア開発プログラム」を設計する、4つの基本目的に対しては一定の達成水準にある。これにより、研究蓄積、実践展開ともに多くない、キャリア中期の組織成員に重要な課題である「ストレス対応」にかかわる新しい知見と、具体的な問題解決に必要な研修プログラムの基本フレームワーク、コンテンツを設計できたことは、学術の専門分野に対するのみならず、広く一般社会に対しても有効な貢献をなすものと考えられる。
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