研究課題/領域番号 |
17K03968
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小西 由樹子 早稲田大学, 商学学術院(ビジネス・ファイナンス研究センター), 助手 (10769920)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | グローバルリーダー / 海外経験 / 異文化適応 / 海外駐在 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、青少年期の短期間の海外経験がグローバルマインドセットの育成にどのように影響を与えるのかを解明することである。そして、各ワークパッケージの研究実績は次のとおりである。 WP1:医学生の短期海外研修中のグローバルマインドセット育成プロセス 医学生が海外臨床実習プログラムに参加を決めた要因を明らかにする研究を行い、学会発表および論文製作を行った。具体的な内容は、海外実習に参加する医学生22名にインタビューを行い、コンピュータを使用した計量テキスト分析を行った。その結果、医学生の海外臨床実習参加の意思決定要因は6つのクラスターに分類された。クラスター1から3までが海外実習参加の動機づけに関するもの(スキルに関連する動機付け、海外留学全般に関連する動機づけ、タイミングに関連する動機づけ)、クラスター4が海外実習参加に臨む期待と不安、クラスター5と6が海外実習で達成したい目標(スキル関連の目標、異文化適応の目標)であった。 WP2:社会人を対象とした、青少年期の短期海外経験と現在の国際業務に対する志向との関係 (グローバルマインドセットの持続性を検証するアンケート調査) 海外駐在経験者と国内における海外業務経験者、いずれの経験もない従業員で、グローバルリーダーに必要な能力と資質のレベルが異なるのかどうかを検証し、学会発表を行った。具体的な内容は、433人の社会人に対してグローバルリーダーに必要な能力と資質に関する質問票調査を行った。そして、その回答結果を、海外駐在経験者と国内における海外業務経験者、いずれの経験もない従業員の3グループで比較した。統計分析の結果、全ての項目で海外駐在経験者の数値が最も高かった。この結果から、グローバルリーダーに必要な能力と資質は、国内における海外業務経験でもある程度は育成できるが、育成できるレベルは海外駐在経験には及ばないことがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題なく進捗中である
|
今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に沿って、推進する所存である。 なお、研究計画の変更に関しては、WP1(医学生の短期海外研修中のグローバルマインドセット育成プロセス)では、当初予定していた研究協力大学からのデータ受領が難しくなったため、調査対象を変更して実施する。変更理由は人を対象とする学術研究倫理委員会の審査のためである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費では、ノートパソコンの購入を予定したが、所属機関から貸与期間が延長になった為、支出を次年度に変更した。 旅費およびその他の費用では、主に国内外学会参加費用と英文校正費用を予定していた。これらについては、所属機関の研究助成制度を優先して使用したため、次年度使用額が発生した。優先した理由は、現所属機関の任期が平成30年度に終了し、次の所属機関では独自の研究助成制度がないためである。
|