研究実績の概要 |
前年度の研究成果としてピクチャマイニングの「最適適用領域」の結果では、グローバル領域における有効性がある程度確認できた。本年度も引き続き研究対象領域としての有効性についての研究を行った。本年は、近年の自然環境変化による災害が多発していることから、ソーシャル領域の一つとして、防災分野におけるピクチャマイニングの有用性について研究を行った。当初の予定では、ビッグ・ピクチャデータ分析のためのシステム構築の基礎研究を行う予定であったが、社会的課題としての重要性を考慮して、「最適化領域」について研究を深堀していくことに集中した。 防災ピクチャマイニング研究会を立ち上げ、概念整理を行った後に、ピクチャが恐怖感情喚起に与える影響を定量的に分析することになった。2020年2月に2018年~2019年に風・水害に被災した地域(宮城県,千葉県,神奈川県,大阪府,兵庫県,広島県,福岡県,熊本県)計8県在住の男女20~50代の10,000名に対してインターネット調査を行った。調査の結果、ピクチャの提示の仕方によって、恐怖感情喚起に与える影響があることが明らかとなった。特に現状を伝えるピクチャとその後の結果となるピクチャを組み合わせること、または文字情報との組み合わせで、恐怖感情を喚起することが示唆される研究となった。2020年9月に実施される日本感性工学会にて学会報告を行う予定である。 尚、前年度の調査結果を活用して、ピクチャを用いた市場メイブン発掘のための研究をテーマとして、American Marketing Association 2020 Winter Conferenceで学会報告を行った。
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