本研究は、近年の流通チャネルにおける変化の一つであるオムニチャネルという現象に注目し、消費者の買物経験が小売店舗ブランド形成にいかなる影響を与えるかについて、特に消費者の認知構造および行動特性といった視点から理論的、かつ実証的に検討を加えることを目的としている。リアル店舗購買促進のためのオンライン広告活用という局面に焦点を当てて研究枠組を構築、経験データを収集した結果、(1)オンライン広告を保存した顧客の当該ブランド商品購買確率が高まること、および(2)そのような効果は顧客の小売店舗に対する態度や小売店舗とのインタラクションによって更に高められる可能性があることがわかった。
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