研究課題/領域番号 |
17K04003
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
北中 英明 拓殖大学, 商学部, 教授 (20297089)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 営業管理 / 営業スキル / 個人資質 / 法人営業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、エビデンス・ベースト・アプローチと機械学習アプローチにより、営業スキルと個人業績の関係を科学的に解明することである。営業員の個人業績の積み重ねが企業全体の業績であることから、営業スキルと個人業績の関係を科学的な手法で解明することは重要である。また、機械学習の一種であるベイジアンネットワークを用いて、多岐にわたる営業スキルの全体像をネットワーク構造で体系化することが可能となる。 研究2年度の研究実績の概要は、下記の通りである。 ①アンケートの実施とデータの収集 セールスパーソンならびに対照群として教員・学生に対してアンケート調査(ビッグファイブ性格診断)を実施した。まず、質問票の作成に際し、質問項目についてはニューカッスル・パーソナリティ評定尺度表(NPA)を利用した。。作成した質問票を用いてアンケート調査を実施した。アンケート調査は、個別自記入式の質問紙調査、ならびにインターネット上のサーバーに設置した質問項目への自回答によって実施した。調査対象者は、法人営業活動に従事するセールスパーソン、国内外の大学教員、ならびに首都圏内の私立大学に通う大学生3・4年生の、合計155名であった。性別の内訳は、男性77名、女性78名であった。職業の内訳は、セールスパーソン55名、教員54名、学生46名であった。 ②収集データの分析 収集したデータを用いて、5つの特性因子の得点について、職業別に対応なし一元配置分散分析で比較した。等分散性の検定をおこない、等分散性が仮定できた特性因子について多重比較をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画に照らし合わせてみて、概ね計画通りの活動実績を残すことが出来ているため。なお、研究計画の一部変更に伴い、ベイジアンネットワークを用いた分析については、次年度(2019年度)に実施するよう予定を繰り下げた。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度の2019年度は、データ分析と研究の総括をおこなう。第4四半期には、本研究期間全体を通した活動報告書の作成をおこなう。 ①データ分析:営業スキルをネットワーク構造で体系化する機械学習の一種であるベイジアンネットワークは、複数の要因間の関係に対して、有向非巡回グラフ(矢印を用いたリンク)を用いてネットワーク(重み付けグラフ)に表現する手法であり、因果関係の分析と解釈に有効であるとされている。先行した因子分析の結果残された項目を用いてベイジアンネットワーク分析をおこない、営業スキルをネットワーク構造で体系化する。ネットワーク内でのそれぞれの営業スキルの役割(ハブ、ゲートキーパー等)を調べる。また、営業スキルのつながり具合から、複数スキル間の因果関係や依存関係を分析する。機械学習という特長を活かし、設定を変更しながら多数回の反復処理を通じて、ネットワーク構造を多数生成し分析する。 ②活動報告書作成:三年間の本研究期間の分析結果の整理と取りまとめをおこなう。また、研究成果の公表のために、web等を通じた情報発信の仕組みを準備する。。
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