研究課題/領域番号 |
17K04011
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
渡部 和雄 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (90244532)
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研究分担者 |
岩崎 邦彦 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40315213)
梅原 英一 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (00645426)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 電子書籍 / 利用促進方策 / 利用促進モデル / 電子書籍サービス / 消費者 / 出版社 |
研究実績の概要 |
電子書籍サービスの利用促進方策を提案するにあたって、研究者が連携しながら3方向から研究を進めている。今年度は次のように3方向の進展が見られた。 (1)まず、「国内外の消費者調査と分析」については、消費者の関心の深い書籍ジャンルやSNS利用などと電子書籍利用は関係が深いのではないかという仮説に基づき、消費者調査を行った。そして、調査結果を分析して、仮説を検証した。現在、「紙書籍利用者と電子書籍利用者の意識や行動の差異の分析」をタイトルとした論文を執筆中であり、近く学会誌に投稿する予定である。 (2)次に、「電子書籍関連事業者のマーケティング調査と戦略策定」については、「紙書籍と電子書籍は共存することになるだろうか、どのように棲み分けるのが良いのか」という本研究の主テーマに関して、日本書籍出版協会,出版社へのインタビュー調査を実施するとともに、既存研究に関する文献調査を実施した。その結果、本研究の論点の整理と明確化ができた。 (3)最後に、「電子書籍普及の数理モデル構築と実データによる検証」については、電子図書館の普及に関して、大学図書館の電子書籍取扱業務を調査した。また、ビジネスモデリング手法を用いてモデル化した。今後の調査に利用するフレームワークとしてIT-CMFを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記述したように、3人の研究者が連携しながら、それぞれの分担分野の研究を進めているため、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
上述の「研究実績の概要」にある3項目について、それぞれ次のように研究を進めていく予定である。 (1)について 情報収集・発信やネットショッピング、決済手段などと電子書籍利用とは深い関係があるのではないかという仮説に基づき、消費者調査を実施する。そして、統計分析により仮説を検定し、電子書籍利用促進のための出版社の方策を提案していく。 (2)について 今後、インタビュー調査などから得られた成果をベースに、消費者アンケート調査を実施し、研究を深耕していく予定である。 (3)について IT-CMFのフレームワークを用いて図書館のITに対する組織能力を検討する。このフレームワークに基づき図書館に対する質問項目を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は比較的小規模で、予備的な消費者調査を1回行うに止めたため、あまり費用をかけずに行うことができた。次年度以降は消費者調査の規模を拡大して行いたいと考えており、必要な費用が拡大する。また、予算は国際会議発表などでも積極的に利用していきたい。
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