研究課題/領域番号 |
17K04016
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研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
張 華 山梨学院大学, 経営学部, 教授 (10580756)
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研究分担者 |
侯 聡聡 九州産業大学, 商学部, 准教授 (00613465)
渡邉 孝一郎 九州産業大学, 商学部, 准教授 (60616671)
松田 温郎 山口大学, 経済学部, 准教授 (60632693)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 事業継承 / 競争優位 / 人的ネットワーク / 商人 |
研究実績の概要 |
日本においては、松田は調査協力者である個人経営の物販店に対して参与観察およびインタビューを実施した。また、商人家族の事業承継に焦点を当て、調査も実施した。具体的には、これまで研究蓄積がなされてきた血縁者による事業承継ではなく、結婚によって事業を承継することになった非血縁者の事例を新たに調査した。その成果として、1編の学術論文を発表した。 渡邉は、革新的な小売技術を競争優位とするSPA型大手眼鏡チェーン店と眼鏡商人としての能力を競争優位とする中小眼鏡店に対してにインタビュー調査を実施した。両ショットケーススタディーの分析を通じて中小小売商の競争優位を分析するための一般的な概念化を行った。分析の結果、中小眼鏡店の眼鏡商人が競争優位として提供する視力測定能力やきめ細かなサービスは眼鏡商人の職人技に近い能力であった。この能力は機械やシステムなどの"Retail technology"では対応できない商人のもつ属人的な能力である。調査研究の成果として、渡邉は1編の学術論文を発表し、韓国の学会においても口頭発表を行った。 中国においては、張は温州商人の海外進出にフォーカスを当てて、イタリアのプラートとミラノに進出した温州商人へ対してインタビュー調査を行い、事業資金の調達、企業運営における労働力の確保、現地コミュニティとの融合等においての温州商人の人的ネットワークの役割について分析を行い、温州商人の海外進出と定着においても、人的ネットワークがしっかりと機能していることを確認することができた。その成果として、張は日本商業学会関西部会において、温州商人の海外進出について学会報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの大流行により、一部の国内外研究調査ができなくなったため、研究計画の執行に若干影響が出たが、日本国内調査が再開するメドが立ったため、これから遅れを取り戻し、概ね計画通りの研究活動が実施される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は本研究の最終年度となるため、2017年度から2019年度まで行ってきた研究を取りまとめ、日本や中国などの学会で最新の研究成果を報告し、文字化したものを学会誌や大学紀要などに発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
毎年の各分担者への助成金の分配額が少ないため、次年度に持ち越して調査研究の旅費に使ってもらいたいと考えているためである。
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