研究実績の概要 |
今年度は、今まで検討してきた協調性原理を用いた仮説構築に加えて、Liberman et al.(2001)らの代替的仮説に関する帰属機能の研究知見を消費者自身のソーシャルメディアの投稿に対する推論や解釈の多様性に適用し具体的な仮説を検討した。仮説を精緻にするために、今まで感染拡大のために控えていたプレテストを行った。具体的には、ソーシャルメディアのプラットフォームとしてFacebook, Twitter, Youtube, Instagram, Tick-Tokそれぞれのプラットフォームを頻繁に利用するユーザーを対象とした。以下の製品カテゴリー(食品、家電、アパレル、化粧品、家具、エンターテイメント)に関する投稿者の属性と、投稿に対する信頼度、その投稿に対する推論(PR,本心の推奨等)をリッカート尺度や自由解答を用いて分析した。自由回答は、コーディング作業を行い、カテゴリー化と数値化を行なった。結果は、アパレル、化粧品カテゴリーの投稿は他のカテゴリーに比べて投稿の信頼性が低い。プラットフォームに関しては、FacebookとTwitterの信頼性が低く、Youtube, Instagram, Tick-Tokの信頼性が高い。アパレル、化粧品というカテゴリーは品質に関して主観的な要素をはらむことと、ファッション性に富むことでSNSに露出しやすいことが信頼性を低めていると考えることができる。同時に、FacebookやTwitterは、プラットフォームの特性が製品紹介に適合的でないことから信頼性が低いと考えることができる。Tick-Tokに関しては、利用頻度の高いユーザーをリクルートすることが難しく少ないサンプルとなったので、結果の解釈は、限定的である。この結果を受けて本調査の製品カテゴリーとプラットフォームの選択を行うこととする。
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