本研究では、顧客価値を包含したビジョンの設定が、独自のマーケティング活動を導き出し、かつ顧客にもこれまでにない消費・使用体験、つまりコト価値をもたらす、ということが明らかになった。それは、企業の提供物が製品やサービスの区別なくであり、場合によっては両者の融合によるコト価値の創造という事例もある。これが意味することは、従来のマーケティング手法ではターゲットにコト価値を提供する方法としては不十分であり、新たな枠組みが必要だということである。この新たな枠組みは、本研究で明らかになったコト・プロセスに対応するビジネス・プロセスの必要性と両プロセスを仲介するコト・マーケティング・モデルである。
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