研究課題
本研究の目的は,顧客の長期的な消費文脈を対象に,ミクロおよびマクロの両視点を行き来しながら,顧客の文脈価値がどのように生成されるのかを明らかにすることである。その目的を達成する上で,次の4つの研究課題を設定している:(1)価値生成や文脈についての理論的検討,(2)ミクロ的視点による実証的調査,(3)マクロ的視点による実証的調査,(4)分析および理論的考察。研究最終年となる2019年度は(4)を中心的に取り組みながら成果発表を行なった。また(2)の追加的調査として,フィンランドにて観光ツアー等を事業としている企業に対して,北欧雑貨や北欧生活に関心の高い日本人の意識や行動について複数回インタビューも行っている。本企業は日本人向けに北欧雑貨の通信販売もしているため,本研究課題にとって重要な調査対象となった。そして,これまでのインタビュー調査や雑誌記事の収集により得られたデータをGTAといった質的データの分析法を活用しながら分析している。その分析結果について,代表者のサバティカル受け入れ先であるTurku School of Economics(フィンランド)のResearch Seminarや2019年6月に開催された国際会議Naples Forum on Serviceにおいて発表した。今後は,それらの発表においてフロアからの質問や提案,彼らとの議論を参考にしながら,その内容をブラッシュアップし論文にまとめていく予定である。本年度の成果は投稿論文(1本)および国際学会プロシーディングス(3本),国際学会での発表(3本)と本研究課題の成果の一部を収録した書籍(2020年秋出版予定)となる。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
アジア市場経済学会年報
巻: 22 ページ: 87-96
The 6th Naples Forum on Service, Service Dominant Logic, Network & Systems Theory and Service Science: Integrating three Perspectives for a New Service Agenda
ページ: 159
ページ: 135
ページ: 103