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2017 年度 実施状況報告書

グローバル市場における伝統的産品のブランディング

研究課題

研究課題/領域番号 17K04031
研究機関福岡大学

研究代表者

二宮 麻里  福岡大学, 商学部, 准教授 (40320270)

研究分担者 吉田 満梨  立命館大学, 経営学部, 准教授 (30552278)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード着物 / 取引関係 / 販路開拓 / 流通システム / 消費者行動
研究実績の概要

2017年度は、2度の現地調査を共同で実施し、現状把握をおこなうとともに問題意識を整理した。
2017年7月には茨城県結城市、栃木県桐生市、群馬県桐生市において、織物商、機屋、下請け作業者等を訪問した。結城織産地は、すべてが手作業で生産されているため、後継者問題が深刻化している背景について調査した。
伝統織物では、国内の既存流通システムにおいて集散地卸が意匠および価格決定権を有し、小売店と取引関係を維持している。生産者が新たに自社ブランドを立ち上げてもなかなか販路を開拓の方法がわからず、価格さえどのように決定すればよいのか分からないということがわかった。他方、既存技術を応用して新しくブランドを立ち上げている生産者は、その市場を開拓することができれば、大きなチャンスがあることも確認できた。
2018年3月には京都西陣を訪問し、現地調査した。京都西陣も産地縮小が著しい。新しく素材開発した生産者は、やはり販路開拓が課題ではあったが、地域全体のネットワークにより、苦境を乗り越えて新しい市場を探索し続けていた。一部の生産者は、関係者のネットワークと展示会をきっかけにグローバル市場にアクセスをしていた。
今年度は、伝統的産品の既存流通システムの課題を現地調査と文献収集を通じて整理をすることができた。着物産業の場合、既存流通システムが消費者の購買行動に大きな影響力を与えていることが分かった。
本研究課題であるグローバル市場において求められている伝統的産品の商品価値はどこにあるのかについて引き続き調査をしていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2回の共同調査を通じて、今後、どのような形で研究を進めるかについて問題意識を共有することができた。
とくに、現在の着物市場がその規模を縮小させながらも維持されている背景には、百貨店および専門小売店が果たしてきた販売活動は無視できない。これら小売店がどのような販売方法で消費者行動に影響を与えてきたのかを考えなければならないのかを考察し、分析したいと考える。
将来、出版することを視野にいれ、大まかな章構成についても共同で決定することができたのは大きな進展だと考えている。

今後の研究の推進方策

まずは、2017年度に調査したヒアリング内容について、その内容を補完する史料をさらに収集したい。従来の着物市場がどのようにして展開してきたのかを論文にまとめたいと考えている。
次は、海外において、日本の伝統的産品がどのように販売されているか、その価値がどのように伝達されているのかを調査をしたい。また、海外におけるCraft商品はどのような流通システムで販売され、どのように評価され、市場が維持されているのかを調査したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

旅費として支出したいと考えていたが、金額が不足していたので、執行することができなかった。今年度、フランス各地を出張して調査したいと考えている。

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公開日: 2018-12-17  

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