研究課題/領域番号 |
17K04031
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
二宮 麻里 福岡大学, 商学部, 准教授 (40320270)
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研究分担者 |
吉田 満梨 立命館大学, 経営学部, 准教授 (30552278)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 着物 / デザイン / 流通 / アート / デザイン |
研究実績の概要 |
2019年度は、着物という伝統産業の市場の歴史的変遷を消費者と小売業の関係性に焦点を当てて考察した。研究成果の公表の一環として、2020年5月に刊行予定の『きものとデザイン』(島田昌和編著、ミネルヴァ書房)に、研究代表者二宮と分担者吉田はともに原稿を寄稿した。二宮は「着物の流行と百貨店の役割」というタイトルで西洋デザインから影響を受けた着物デザインが、百貨店主導のもとでどのように進化を遂げたのかを分析した。吉田は、「戦後~現代のものづくりと市場創造に流通事業者が果たした役割」というタイトルで、流通業者の行動が消費者の着用習慣の変化や市場構造に及ぼした影響を分析した原稿を寄稿した。 さらに、二宮は、海外市場と伝統産業の現代における展開を考察するために、フランスにおける伝統産業とアートの展示会(レベラシオン)において調査をおこない、伝統産業の技術をアート分野における展開の可能性を、出展者および財団、組合とともにアーティスト本人にもヒアリング調査を実施した。 研究分担者の吉田は、11月9日に京都市上京区140周年記念事業で「今日のきもの市場の可能性」という論題での講演を行った。2020年5月に刊行予定の『きものとデザイン』(島田昌和編著、ミネルヴァ書房)に、「戦後~現代のものづくりと市場創造に流通事業者が果たした役割」という原稿を寄稿した。 また、追加的な調査ならびに理論的な検討として、伝統的染織物の今日的な消費者動向を把握するための、フォーカスグループインタビューを5月と7月の2回実施したことに加え、伝統的産品の価値を捉えるための「オーセンティシティ」という概念について、日本商業学会関西部会11月例会にてコーディネーターならびに報告者として既存研究を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の1年間のフランスでの在外研究と分担者の第一子出産というライフステージ上の変化が重なり、令和元年度は共同研究の打ち合わせや調査を実施することができなかった。2から3月にかけてはコロナ禍のため出張も中止を余儀なくされたため、最終年度に予定した、グローバル市場における伝統産業の展開についての研究を遂行することを断念せざるをえなくなった。しかし、そのような状況下でも、2020年5月発刊予定の、共同執筆した著書の原稿を完成させることができたことは幸いであった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、伝統的染織産地としての京都、とりわけ西陣織と京友禅のモノづくりの歴史と現状について、追加的な調査を行い、その成果を論文やワーキングペーパーとしてまとめていくことを中心に取り組みたい。そのために、2次データの収集やヒアリング調査を追加で実施予定である。 また、和装の製造小売業と海外ブランドとのコラボレーション事業についても、経験的研究からの発見を整理し、新たな理論的な枠組みの検討を行うつもりである。 さらに、着物市場との比較として、伝統産業の技術を現代に応用したアート分野についても調査を継続したい。絹織物や染色だけではなく、漆器や陶器なども海外で注目を集めている。とくにフランスでは、アートに接するさまざまな機会を消費者に提供されている。資料の解読を進め、成果として発表したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の1年間のフランスでの在外研究と分担者の第一子出産というライフステージ上の変化が重なり、令和元年度は共同研究の打ち合わせや調査を実施することができなかった。2から3月にかけてはコロナ禍のため出張も中止を余儀なくされた。2020年度は、伝統的染織産地としての京都、とりわけ西陣織と京友禅のモノづくりの歴史と現状について、追加的な調査を行い、その成果を論文やワーキングペーパーとしてまとめていくことを中心に取り組みたい。そのために、2次データの収集やヒアリング調査を追加で実施予定である。
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