| 研究課題/領域番号 |
17K04035
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
蟹江 章 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40214449)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 内部監査 / コーポレートガバナンス / 法定監査 / 監査等委員会設置会社 |
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| 研究実績の概要 |
今年度は，日本監査研究学会と日本内部監査協会との共同研究プロジェクト研究会に参加することを通じて得たデータや情報，研究会での議論から得られた知見などにも依拠しながら，特に監査等委員会設置会社における監査等委員である社外取締役と内部監査との関係について，その課題と今後のあり方を中心に研究を進めた。
監査等委員会設置会社は，コーポレートガバナンスの強化を図るために監査役会設置会社から会社の機関設計を変更する形で成立しているが，アンケート調査や聞き取り調査によれば，これによって会社内における内部監査の位置づけや機能に本質的な変化は生じていないことが明らかになった。この限りでは，コーポレートガバナンスにおける法定監査の支援という観点から，内部監査部門およびガバナンス機関ならびに経営者の意識変革が必要であるといえよう。
また，内部監査によるコーポレートガバナンスないし法定監査の支援の充実・強化という観点から，内部監査の義務化の是非についても検討した。内部監査を義務化することによって，組織内における内部監査の影響力や有効性にプラスの効果が期待される一方で，任意監査として自発的に実施される監査であることのメリットが損なわれる恐れがあることを明らかにした。
今年度までの研究によって，コーポレートガバナンスにおける内部監査と法定監査との関係や両監査における課題が明らかになった。次年度では，明らかになった課題にいかに対処すべきかについて研究を進めることになる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究によって，内部監査とコーポレートガバナンスおよび法定監査との関係について実情ならびに課題を具体的に明らかにすることができたものと考えている。特に，監査研究学会と日本内部監査協会による共同研究プロジェクトに参加できたことにより，内部監査とコーポレートガバナンスの関わりについて実情を把握することができ，課題が明確になった。また，実情を把握できたことにより，今後の研究を進める上での方針をより適切に立てることができたものと考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
最終年度である次年度には，これまで得た情報・データおよび知見に基づいて，明らかになった課題への対処法や組織における内部監査の位置づけや機能など，本研究のテーマに関わる結論を導くことができるものと考えている。
アンケート結果のさらなる分析と解釈に参画し，内部監査とコーポレートガバナンスの関わりの実態を明確にすることで，会社法における監査役会等の監査ならびに会計監査人監査の有効かつ効率的な実施に内部監査が貢献するために何が必要か，また，金融商品取引法による財務諸表監査の質を高めるために内部監査に何ができるのかなどについて，具体的な提言を導くことを目標として研究を進めていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
資料収集および研究打合せをWebやメール等を用いて実施したこと，日本監査研究学会と日本内部監査協会の共同研究プロジェクトにおける調査データや情報を一部利用することができたことなどにより，物品費ならびに旅費の節約が可能になったため。繰り越し分は，次年度において，Webやメールによっては実施できない追加的な調査や資料の収集に活用する計画である。
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