研究課題/領域番号 |
17K04037
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 雅明 東北大学, 経済学研究科, 教授 (90202473)
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研究分担者 |
間普 崇 関東学園大学, 経済学部, 教授 (10438749)
松田 康弘 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (70451507)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中小企業 / 非財務指標 / BSC / ベイズ / グローバル管理会計 |
研究実績の概要 |
本研究はBSC(Balanced Scorecard)のフレームワークで中小企業における非財務指標についてBayesianアプローチを用いて分析しようとするものである。今年度は後半に想定外のことが起こったので、研究実績については、前半と後半に分けて報告を行う。 前半については、統計分析に用いるモデルの模索を継続的に行った。その結果、非財務指標と成果の関係を分析するモデルとしてhierarchical modelまたは multi-parameter modelが利用可能であるとの感触を得た。2017年度の後半より、Global Management Accounting Principles(GMAP)の中小企業への応用を視野に入れ、GMAPの検討をしてきたが、その成果を日本管理会計学会2018年度年次全国大会で報告することができた日本管理会計学会産学協同研究グループの中間報告)。 昨年度の後半、研究代表者の体調が悪くなり、11月末には脳梗塞で病院に入院することとなった。幸い、後遺症は残らなかったが、これまでと同様のペースで研究を進めることが難しくなった。この想定外の事態により、昨年11月以降の研究が滞ってしまった。 一方、2017年度後半より、GMAPの中小企業への応用という研究も行ってきたが、その一環として、海外(インドネシア)の公立病院におけるBSC導入の可能性に関する研究を海外の雑誌で報告することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年11月、研究代表者が脳梗塞の治療のため入院した。このため、研究を当初の計画通りすすめることが難しくなっており、現時点で、かなり遅れていることは否定できない。ベイズ・アプローチを用いた分析モデルの構築は、2018年度末時点で行なわれているべきであるが、まだ未完成である。ただし、分析モデルについては、非財務指標と成果の関係を分析するための回帰モデルとしてhierarchical linear modelとGeneralized linear modelを用いることが可能であり、また、有望であることが分かった。 中小企業からのデータ収集については、昨年9月にBSCの導入を行っている企業の調査を行い、ある程度の情報を収集している。また、昨年8月には中小企業について多くのデータを持つTKCを訪問し、情報を収集した。しかし、全体的に見れば、当初の予定からは遅れていると言わざるを得ない。 海外(インドネシア)の公立病院についてはアンケート調査を行い、そのデータの分析を行っている。現在、分析中であり、まだ、明確な結論を得ていない。
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今後の研究の推進方策 |
客観的に見て、研究が当初の計画より遅れていることは否定できない。今年度はできる限りこの遅れを取り戻すために、研究期間を前期(4月~9月)と後期(10月~3月)までに分け、それぞれの期において目標を設定し、それらを達成していきたい。 前期においては、分析モデルの構築を第1の目標とする。第2にパイロットデータを用いて分析を行い、モデルの確認を行いたい。また、8月以降はデータ収集に時間を取ることができるため、中小企業を訪問してデータ収集を行いたい。 後期においては、収集したデータの分析を集中的に行い、その結果を、Discussion Paperとしてまとめ、さらに、海外学会での報告、論文誌への投稿を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた中小企業関連のデータの購入を行なっていない。また、論文投稿のためのコストが発生していない。
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