研究課題/領域番号 |
17K04040
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中野 誠 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (00275017)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 集約利益 / マクロ会計 / GDP |
研究実績の概要 |
本研究の目的はミクロレベル(企業レベル)の会計情報を集約(aggregate)して作成したマクロレベル(集約レベル)の会計情報を用いて、マクロ経済指標(GDP、個人消費、企業の設備投資)の将来予測を実証的に行うことにある。マクロレベルの会計情報としては、四半期毎に報告される全上場企業の営業利益総額、当期純利益総額あるいはその変化分、ROA(それを分解した売上高営業利益率、総資産回転率)などが、その代表的な尺度である。 主たる研究実績のうち国際学会での研究発信として、Korean Accounting Association Annual Meeting(2019年6月)、Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues (2019年10月)、 Australasian Finance and Banking Association Annual Meeting (2019年12月)における研究報告をあげることが出来る。 研究成果の出版としては、日本会計研究学会の統一論題報告の内容をまとめた「マクロとミクロの財務会計」(『會計』2020年1月)をあげることができる。 分析結果から、四半期ごとの集約利益が将来のGDP成長率を予測する能力を一定程度は保有している点、また少なくとも短期的には、国内企業の業績改善が将来の国内経済の成長を導く経路は、消費支出や政府支出の拡大ではなく、企業投資の積極化を経由したもの(投資需要経路)であると考えられる。 財務会計研究の領域をミクロからマクロへと拡張できる可能性を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究発信として、国際的な学会での報告3回(KAA、APC、AFBC)および日本会計研究学会全国大会における統一論題報告1回を実施することができた。また、関連する論文1本を公刊することができた。以上の理由から、「おおむね順調に進展している」と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、マクロ実証会計の国際比較分析に関する英語論文を海外ジャーナルに投稿済みで、査読者からのコメント待ちの状態である。今後は、当該研究の公刊に向けて研究を続けていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、当初より3月に予定していた海外出張が、新型コロナウイルス感染症の影響により、キャンセルとなったためである。使用計画としては、新型コロナウィルス感染症の影響の収束度合いを見ながらではあるが、国際学会出張あるいは共同研究打合せの出張を予定している。
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