歴史研究の側面では、企業史料統合データベースにより、明治初期まで遡ってわが国における貸借対照表等を調査した結果、旧商法制定前後で、資本金の計上基準が払込主義から引受主義に変化していることが明らかになった。債権を網羅して記載するという財産目録の普及が、資本金の計上基準に変化をもたらした要因として挙げることができる。 国際制度比較研究の側面では、自社の株式に対するコール・オプションが付与された場合に、付与時点における公正な評価額で測定し、権利行使時点までのその後の時価変動を損益計上しない会計処理の本質を、利益の平準化に求める解釈を示した。
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