企業情報の開示は、企業により多様な報告書が作成され、経営者による戦略的意思決定に基づき多様なタイミングで開示され、そして多様なチャネルを通じて投資家などの利害関係者に伝達されるという特徴を有する。本研究は、そのような企業情報の多様な開示プロセスが証券市場参加者にどのような帰結をもたらすのか実証的に調査した。そして、有価証券報告書と決算短信では情報開示のタイミングや市場反応が有意に異なること、取引時間内または取引時間外に開示された決算短信では市場反応が有意に異なること、決算発表の集中化がメディア報道に及ぼす影響、高品質の企業情報の開示がアナリスト予想の特性に及ぼす影響などを明らかにした。
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