研究実績の概要 |
最終年度は、本研究テーマについて、Spanish Association of Accounting and Business Administration (査読有, November 14, 2022)にて、発表する機会を得ることができた。また最終的に、当該テーマの成果について2本の英語論文にまとめ、リライトを重ね、いずれも国際ジャーナルに投稿し、現在査読中である。さらに次期テーマへの発展のために、9TH WORKSHOP ON ACCOUNTING AND REGULATION @ Sienaに研究報告のための投稿を行い、査読の結果アクセプトされた。これにより、関連するテーマにおける将来的な見通しを立てることができた。 本プロジェクトは、もともと3年間で、(1)日本企業の会計基準選択のロジックをその経済的環境および企業属性を加味しながら、独自データベースの利用により具体的かつ包括的に明らかにすること、(2)(1)の結果を受けて、会計情報の品質という視点から、日本基準・米国SEC基準・IFRSの優位性について、財務諸表作成者及び利用者の立場を比較検討しながら理論的・実証的に考察すること、(3)最終的にグローバルな会計基準の制度設計のあり方を議論することが目標であったが、コロナ禍の影響もあり、かなりの時間がかかってしまった。とくに、研究期間後半において、海外研究協力者2名とのやり取りについて、メール上で論文の細部を詰めていくことに時間がかかったが、丁寧な議論を積み上げることができたおかげでIFRSを任意適用としている我が国の企業データを利用して研究することの優位性について欧州学界での理解を確立することができたのは、今後日本のケースに基づいたIFRS研究を続ける上で有益であったと考えられる。
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