本研究の目的は、マネジメント・アプローチ(以下、MA)の影響に関する先行研究を整理すること、およびMA採用前後の地域別セグメント情報を入手・整理し、MAの採用が多国籍企業の企業行動(情報開示選択を含む)や会計情報に及ぼす影響について実証的に分析することにある。本研究の内容は以下の4つに集約できる。①MAが経営者の恣意性に及ぼす影響、②MAが企業の比較可能性に及ぼす影響、③MAが多国籍企業の企業行動(情報開示選択を含む)に及ぼす影響、④MAが多国籍企業の会計情報の有用性に及ぼす影響。本研究で活用した統計手法は因果推論であり、長所と短所が混在するMAの影響に関する冷静かつ客観的な分析を試みた。
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