研究課題
平成29~30年度は、従業員の心理的側面が組織資本を構成する組織文化に与える影響や企業業績との関係について明らかにするため、以下のような研究を予定していた。①研究デザインの構築:まず、当該研究に必要な組織心理学等の先行研究をレビューし、研究デザインを構築する。また、この段階では、広く組織心理学と組織資本の関係について整理する。具体的な分析方法は、Ogbonna et al. (2011)等の先行研究を参考に、研究デザインを構築し、質問票の作成等を行う。②データの収集:①で構築した研究デザインにしたがって、分析を行うために必要なデータを収集する。分析データについては、先行研究を参考に収集するが、調査対象は上場企業を予定している。また、企業業績として収集する財務データは、SPEEDAあるいはWorld Scope Fundamentals等から入手する。これらの財務データベースは、客観的で信頼性も高く、国際比較分析にも有効である。ただし、国際比較を行う場合、質問票は英語版を別途準備する必要がある。すなわち、まず、組織心理学や分析に必要な研究手法の基礎を確認しながら、主に、Web調査と財務データを用いた研究を行う。③データの分析:回収した研究データについて、統計分析を行い、組織の心理学的側面と組織文化の関係および企業業績との関係について実証的に明らかにしたい。また、国際比較を行う場合、外国企業のデータを用いて差異を分析する。また、④として中間的研究成果の公表も予定していた。本年30年度は、本研究テーマである「組織心理学を応用した組織資本と企業業績に関する研究」の研究2年目に当るが、国家試験である公認会計士試験の試験委員に就任したこともあり、②データの収集や③データの分析は行わず、①研究デザインの構築についてのみ研究を行った。
4: 遅れている
①で構築した研究デザインにしたがって、順調に研究が進めば②データの収集および③データの分析を実施する予定であったが、国家試験である公認会計士試験の試験委員に就任したことで大きく時間が取られ、研究がかなり遅れている状況である。また、研究手法について新たにベイズ統計手法等を取り入れることを検討しているが、この点についても準備に時間がかかっているため。
前述のように、研究手法について新たにベイズ統計手法等を取り入れることを検討しているが、この点について早急に準備を行いたい。また、調査対象は上場企業を予定しているが、特に、国際比較研究を行う場合、どの国のどういった企業を調査対象とすべきかについては検討中である。
論文の校正費用が予定よりも多く発生したため。
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Asia-Pacific Management Accounting Journal
巻: Vol. 13 No. 1 ページ: pp.21-44
會計
巻: 第194巻第1号 ページ: 85-99頁
巻: Vol. 13 No. 2 ページ: pp. 55-82
巻: Vol. 13 No. 3 ページ: pp. 139-165