研究課題/領域番号 |
17K04065
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
阪口 博政 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (60757516)
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研究分担者 |
荒井 耕 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (90336800)
渡邊 亮 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 研究員 (90756173)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 経営企画 / 医療機関 / 管理会計 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療機関を対象とした経営企画機能のあり方について、経営企画に関連する組織、活用している情報(経営指標)、関与する人材に焦点を当てた調査研究である。一般企業を対象として蓄積された経営企画機能に関する研究を背景に、近年増加している医療機関の経営企画部門に望まれる機能を明らかにすることを目的としている。この目的に対して、組織・情報・人材という3つの観点からアプローチし、それぞれの実態や期待をアンケート調査並びにインタビュー調査を組み合わせて解明するものである。 平成29年度は、主として経営企画に関連する組織を対象にし、文献リサーチ並びに先行インタビュー調査、またアンケート調査の準備を実施してきた。文献リサーチについては、一般企業を対象とした経営企画部門に関する研究と、医療機関における経営企画部門の設置事例を収集し、インタビュー調査・アンケート調査に繋がる医療組織の特徴と考えられる点について整理してきた。インタビュー調査については、現状の医療機関経営に関して認識されている課題を11組織で確認するとともに、アンケート調査の想定質問を行うことでの質問票の妥当性確認を1組織で実施してきた。アンケート調査については、質問票の精査、医療組織を対象とすることから倫理委員会の審査を経て送付準備まで整ったところである。後述の理由からアンケートの実施が若干遅れているものの、診療報酬改定の影響による対象機関の年度初めの繁忙期を過ぎてすぐに実施できる状況とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度に実施予定であった、経営企画に関連する組織を対象とした文献リサーチ並びに先行インタビューは遂行された。 文献リサーチは、日本企業を対象としてレビューを通じて今後の研究に向けた比較の観点を得ることができ、また医療機関を対象としたレビューを通じて経営企画部門の設置・業務遂行報告を中心に行われていることが確認できたという成果があげられた。また、文献レビューをもとにした先行インタビューを行うことで、アンケート調査で利用する質問票の精緻化を行うことができた。 しかし、同年度でアンケート調査まで実施する予定であったものの、主任研究者の腕の怪我(入院・手術・リハビリ)により調査実施時の質問対応ができないことから、アンケートの実施を延期したため、やや遅れている状況といえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、前年度に未実施であった経営企画に関連する組織のアンケート調査を実施し、追加インタビューと定量分析により実態について解明する予定である。 それに引き続き、当初予定していた経営企画情報に関する調査を実施する予定である。インタビュー調査並びにアンケート調査が中心となる予定であり、インタビュー調査では、実際の利用している情報(経営指標)や活用度合いについて把握する予定である。また、アンケート調査では、経営指標の用い方だけでなく、主観的なレベルでの重視の度合いについて明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、文献リサーチ並びにインタビュー調査は概ね順調に進んだものの、アンケート調査の実施を延期した。そのため次年度使用額が生じており、発生した金額については平成30年度前半のアンケート調査(印刷・発送準備・郵送)に用いる予定である。
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