研究課題/領域番号 |
17K04074
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山本 昌弘 明治大学, 商学部, 専任教授 (10261489)
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研究分担者 |
前田 陽 明治大学, 商学部, 専任教授 (30451454)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 資本投資 / 資本予算 / M&A / 意思決定プロセス |
研究実績の概要 |
研究成果として山本は、『事業承継ガイドラインを読む―国の中小企業政策とその活用に向けて―』(経済法令研究会、2018年2月20日)を出版した。これは、中小企業庁のM&Aに関するガイドラインである「事業承継ガイドライン」及び「事業引継ぎガイドライン」について研究したものである。近年、後継者難により、廃業する中小企業が増加しており、M&Aによる事業の引継ぎが急務となっていること、そのため国の施策として、各都道府県に事業引継ぎ支援センターが設置され、中小企業のM&Aを支援していることを明らかにしている。 山本はさらに、「統合報告の進化がCSRを大きく変える―国際財務報告基準の作成と同じ流れでEU基準が世界標準に―」(『CSR企業白書2017』、『週刊東洋経済臨時増刊』東洋経済新報社、第6734号、2017年7月5日、26-33ページ)において、ESG投資について、統合報告の観点から論じている。上場大企業については、国際会計基準を中心に世界標準化が進展しており、それがさらに統合報告として発展している。そこではESG投資が注目され、国際的なM&Aにおいても重要な要素となっていることを明らかにした。 一方前田は、「中期経営計画と行動計画-イトーヨーカ堂の事例を通じて-」(日本原価計算研究学会全国大会、関西大学、2017年9月11日)として、流通企業の長期計画及び投資決定について事例研究を行い、学会発表した。山本が主としてM&Aを中心に研究したのに対し、前田は資本投資を中心に研究を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は、山本・前田によって、投資決定の具体的な実務について東京の上場製造業企業を複数回訪問し、聞き取り調査を行った。これは、前田の先行研究である「原価企画と設備投資管理」(若手研究(B)26780258)において2016年度に実施した投資決定に関するアンケート調査の結果に基づき、調査協力を受諾してもらえた企業を訪問したものである。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は、山本・前田によって中国大連を訪問し、現地日系企業の対中進出の実態について聞き取り調査を行う予定である。2018年度は、資本投資・M&Aともに国際的な活動に焦点を当てて研究を続けていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度は、企業の調査を東京圏ですませることが出来たので、旅費の支出がなかった。その分を2018年度において中国進出の日本企業の調査に充てるべく次年度使用としたものである。
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