研究課題/領域番号 |
17K04077
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
戸田 龍介 神奈川大学, 経済学部, 教授 (00271586)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 国際会計基準 / 公正価値 / 農業会計 / 農業簿記 |
研究実績の概要 |
初年度は、まず、農業簿記の定義と意味を改めて確認した上で、そういった農業簿記会計の根幹とディスクロージャーとの関係について調査を進めた。まずそもそも、誰のために農業簿記、特に日本の農業簿記は展開されたのかを改めて確認し、それは税務官庁のためであったり、農水省のためであったり、農協のためであったりした実態を確認した。しかしながら、21世紀のグローバル社会において、農業簿記会計は、そういった機能よりも、グローバルな投資家の意思決定を援助する機能が求められていることをまず確認した。 本研究は、上記のような認識の下、IAS(国際会計基準)第41号「農業」に注目し、そこで展開されている農産物に対する公正価値測定の実際がどのようになっているのかを調査しようとするものである。本年度は、まずは、オランダ、フランス、英国、スウェーデン、ノルウェー等のEU諸国、さらにはオーストラリア、インドネシア、フィリピン等のアジア・オセアニア諸国の農企業で、IAS(国際会計基準)第41号「農業」を適用し、実際に公正価値測定を行っている企業のアニュアル・レポートが収集されているCDを入手した。 すでに各社のアニュアル・レポートの分析を行いつつあるが、分析の終了した企業に、スウェーデンの農林企業であるホルメン(Holmen)社がある。特に同社の2016年度版のアニュアル・レポートの分析を通し、公正価値会計モデルに依拠する測定が、実際に適用されるとどのようになるのかを、具体的な数値事例に基づき明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IAS(国際会計基準)第41号「農業」を適用し、農産物に対する公正価値測定を実際に行っている世界各国の農林漁業企業が発行している、各社のアニュアル・レポートを集めたCDを入手できたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、入手したCDの中にある未検索の農林漁業企業のさらなる分析を行う。さらに、コンタクトが取れ次第、当該農林漁業企業のディスクロージャー担当者に、公正価値測定についてメールで質問を行い、各種の疑問を解消する。さらに、相手側の了承がとれ次第、当該農林漁業事業の所在国まで赴き、直接的なヒアリング調査を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、調査対象企業のアニュアル・レポートを収集したCDが入手できたため、当初予定していた海外調査が行われなかったため。
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