研究課題/領域番号 |
17K04079
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
松田 修 愛知学院大学, 商学部, 非常勤講師 (90291872)
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研究分担者 |
吉田 洋 名古屋文理大学, 健康生活学部, 教授 (90259325)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アセアン会計 / 会計制度 / 会計教育 / 会計研究 / 会計プロフェッション / 会計と文化 / アセアンと宗主国 |
研究実績の概要 |
本研究は、アセアンにおける会計制度・会計教育・会計研究・会計プロフェッションについて、政治・経済・法律・文化の側面、特に、コロニアルパワー(アセアンと宗主国)とカルチャーファクター(会計と文化)の視点から比較分析を行っていく。2017年度において、研究代表者と研究分担者は、8回の科学研究費研究会を開催し、科研テーマについて意見交換を行った。 2017年度は、当初の研究計画に基づいて、会計教育および会計プロフェッションにおけるコロニアルパワーとカルチャーファクターの調査を行い、次のような相当の成果を上げた。先行研究から知見を得るため、日本およびアセアンで公表されている国際会計、会計監査、イスラム会計の文献調査を行った。研究対象となるアセアンはマレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナムの4か国にわたっており、研究代表者と研究分担者の間で相互に連携をとりながら、国内外の文献調査を進め、多くの資料収集をすることができた。 さらに、先行研究および文献研究によって明らかになった課題や論点を詳細に調査するため、2017年度に、シンガポール・マレーシア(2017年9月)およびインドネシア(2018年3月)の訪問調査を行った。会計教育の研究分野では、シンガポール国立大学、南洋工科大学、シンガポール経営大学、マラヤ大学、マレーシアイスラム科学大学、マラ工科大学、インドネシア大学を訪問し、インタビュー調査を行った。また、会計プロフェッションの研究分野では、プライスウオーター監査法人シンガポール事務所、プライスウオーター監査法人マレーシア事務所、インドネシア勅許会計士協会を訪問し、インタビュー調査を行った。これらの研究成果は学内紀要および学会報告で公表を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は、シンガポール、マレーシア、インドネシアの国立大学を訪問し、会計教育に関する最新の動向を把握できており、順調に研究も進んでいると考えられる。特に、シンガポールの大学で行ったインタビュー調査(Dr. Low Kin Yew of Nanyang Business Schoo,, Ms. Giam Yuan Yuan of Singapore Management University, Dr. Edmund Keung of National University ofSingapore)では、コロニアルパワーとカルチャーファクターの視点から、シンガポールの会計教育について、高品質の情報を得たと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究代表者と研究分担者が共同し、以下のような活動を行う。多くの科学研究費研究会を開催して、会計制度・会計教育・会計研究・会計プロフェッションのテーマごとの研究を深めながら、テーマ全体の打ち合わせを緊密に行う。 2018年度は、ベトナムとマレーシアにおける会計教育と会計プロフェッションについての研究調査を行う。会計教育では、ベトナム国家大学ハノイ、ベトナム国家大学ホーチミン、マレーシアサバ大学、マラ工科大学サバを訪問する。会計プロフェッションでは、ベトナム公認会計士協会、プライスウオーター監査法人ハノイ、プライスウオーター監査法人ホーチミン、マレーシア会計士協会を訪問して、インタビュー調査を実施する。その調査結果から、コロニアルパワーとカルチャーファクターの視点によるベトナム会計とマレーシア会計の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金を計上していたが,会議における通訳を研究代表者および研究分担者で行ったため、人件費・謝金は0円となった。また、2018年3月の海外出張旅費(154,382円)の支払が2018年4月2日となったため、次年度の研究費での支払となった。さらに、海外における訪問日数が当初の予定より少なかった点、および、海外出張の日当が支給されなかった点により、旅費の金額が少なくなった。次年度の使用計画は、海外訪問時の通訳料を人件費・謝金として当初の計画通り計上する。次年度使用額が生じた研究費は、アセアン会計に関する海外発行書籍・国内発行書籍の費用、海外ミーティングでの発表、および、海外での文献調査ために利用可能な携帯型ノートパソコンとして利用する。2018年度は、これまでのミーティングでの反省点を考慮しながら、さらに円滑な研究活動を行う。
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