研究課題/領域番号 |
17K04081
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
東 健太郎 立命館大学, 経営学部, 教授 (20535843)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会・環境情報開示 / 環境会計 / 被災地支援 / コーポレートフィランソロピー / ESG |
研究実績の概要 |
社会環境情報の中でも、被災地の支援アナウンスメントに対する資本市場の反応に焦点を当てて研究を継続してきた。当該アナウンスメントに対して資本市場がポジティブな反応を示すのは、アナウンスメントの公表により企業が"goodwill"を拡充できることに加え、財務的な頑健性の"signal"を伝達できることにある、というのが本研究の基本的な見方である。 被災地支援の実施アナウンスメントに対してポジティブな反応を資本市場が示すこと、災害の開始後1週間以内にアナウンスメントをリリースした企業は、1週間を超えてから公表した企業よりもよりポジティブな反応を受けていることを実証的に確認したうえで、その反応の大きさの決定要因を探索した。今年度は新たに、被災地支援をSNSでアナウンスすること、新聞記事で報道されることが、追加的な効果を及ぼすかについても検証を実施したが、統計的に有意な結果を得ることはできなかった。また、被災地支援の大きさの評価については、これまでは義援金の拠出金額を使用してきたが、それに加えて、実物(inkind)の拠出についても、可能な限りで貨幣換算を実施した。また、ESG志向の投資家が被災地支援に関する情報を、実際にはどのようにみているのか、実態レベルの確認のために、投資家へのインタビュー調査も併せて実施した。方法論的な改善等を実施したうえで、最終的にはジャーナル論文への投稿を目指して作業を進行させている。また、今年度は、これまでに実施してきた研究をAcademy of Management (Annual Conference, Vancouver)(新型コロナの影響によりオンラインでの報告のみ)において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響により、共同研究者との打ち合わせがオンラインのみとなっていることで、今後の研究の進め方など、今後にむけて、保留となっている事項がある。
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今後の研究の推進方策 |
ジャーナル投稿に向け準備を進めている。その他、関連する実証分析を実施するために、新しいデータの収集に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
ジャーナル投稿など次年度以降に必要になる可能性のある費用を繰り延べている。
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