研究課題
本年度は、コロナ禍の影響で延長した年度で、予定していた企業調査、研究を実施し、学会発表(日本会計研究学会・部会での藤一論題)を行い、その研究成果の一部を「ESGと管理会計」という論題で論文として公表した。最終年度ということで、企業調査を完了する必要もあり、ZoomやMicrosoft-Teamsを活用して、協力企業と定期的に研究打合せを実施した。研究成果として、マテリアルフローコスト会計(MFCA)情報を活用し、企業、特に製造プロセスでのエネルギーや水を含む資源生産性の向上(改善)を実現することができた。その改善効果を物量単位で測定し、さらには、その物量単位での改善効果をコスト削減などの財務的効果として評価するともに、エネルギー消費の改善ではコスト削減とCO2排出削減効果の2側面で評価し、企業実務に有用なマネジメント情報の事例研究として確立することができた。このように、本研究課題である企業のサステナビリティへの貢献指標を具体的に例証することが出来たことは大きな成果である。また今後の研究課題として、サステナビリティにより貢献するためにはより戦略的かつ積極的にエネルギーや水の消費を改善する必要があり、そのためには電力に代表されるエネルギーの消費や水の消費をプロセス内で詳細かつ正確に把握する必要があることが明確となった。さらに、改善活動だけを目的とすると、MFCA情報が企業内という閉じたマネジメント情報として活用されるに留まっており、今後、企業のサステナビリティ情報として有用に活用されるために、取引先、市場、そして広く社会に開示することも検討する必要があることが明らかとなった。なお、本研究課題の成果論文(英語)が、学会賞(論文賞)2020年 (日本組織会計学会)を受賞した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
會計
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原価計算研究
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企業会計
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